2月の自動車販売、単月では前年同月比が大幅増
(中国)
上海発
2021年03月16日
中国自動車工業協会(CAAM)が3月11日に発表した2021年2月の自動車販売台数は、前年同月の4.6倍となる145万5,000台になった(添付資料表参照)。
内訳をみると、乗用車が5.1倍の115万6,000台で、商用車は3.5倍の29万9,000台、うち新エネ車は6.8倍の11万台となった。新エネ車は、2020年7月にプラスに転じて以降、8カ月連続で販売台数記録を更新しており、販売台数の回復ぶりが顕著だ。
CAAMによれば、全国人民代表大会における政府活動報告で、2021年の経済成長率目標は6.0%以上とされており、自動車や家電製品の消費を安定的に増やすという政策の方向性が明確になっている。また、車載用半導体の不足に対しては、工業情報化部が、自動車企業と半導体企業のマッチングを支援するなど取り組みを行っており(2021年3月10日記事参照)、自動車産業は着実かつ前向きな発展傾向を維持できるとした。一方、新型コロナウイルスの感染拡大が依然として世界的に広がっており、世界的な経済情勢には不安定かつ不確実な要因が増加している。国内経済も家計消費は引き続き制限され、投資の増加も不十分だ。また、中小企業や個人事業主は困難に直面しており、これらの要因は自動車市場の安定した回復にもある程度の影響を及ぼすとしている。
CAAMは、2020年2月は新型コロナウイルスの感染拡大期に当たり販売台数が極めて少なかった。そのため、単月の比較では前年同月比で大幅な伸びを記録しているが、2018年、2019年と比べると、横ばいかそれを下回る状況で、消費市場は依然として回復途中にあるとしている。
中国自動車メーカー最大手の上海汽車の陳紅董事長は、自動車販売の3年連続のマイナスは2021年で終わる可能性がある。また、2021年の自動車販売台数は、最大で前年比5%増となる2,550万2,670万台に達するとの見通しを述べた(「第一財経」3月5日)。
(高橋大輔)
(中国)
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