パワーアシストスーツ開発のイノフィス、欧州でも積極展開
(フランス、スペイン、日本)
パリ発
2021年03月09日
パワーアシストスーツを開発するイノフィス(本社:東京都千代田区)は3月8日、フランスとスペインで同社製品の販売を開始することを発表した。イノフィスは2013年設立の革新的パワーアシストスーツを開発する大学発スタートアップだ。新型コロナウイルス禍にも積極的に新たな海外販路開拓に挑み、3月に同社にとって欧州で初の代理店となるフランスのフォックス・イノベーション・ロボッツ(FOX INNOVATION ROBOTS)と販売代理店契約を締結、欧州展開を本格始動させた。
2019年11月から販売している同社のパワーアシストスーツ「マッスルスーツEvery(エブリィ)」は、腰痛などの労災から保護すること目的に購入を希望する企業の増加や、労働者の高齢化、介護需要の増加などを背景に売り上げを伸ばし、2020年12月末現在でシリーズ累計出荷台数1万6,000台を突破。日本以外では、既に韓国や中国、台湾に展開して人気を博している。2020年は新型コロナ禍の逆風にもかかわらず海外販路開拓を進め、同年7月から台湾で販売を開始、同時並行で欧州への展開を目指し、CEマークの取得や欧州でのビジネスパートナー探しを進めた。
「マッスルスーツEvery(エブリィ)」(イノフィス提供)
同社で海外展開を推進する事業推進部マネジャーの佐々木俊介氏に、欧州における事業拡大の経緯と今後の展望について聞いた。
佐々木氏によると、同スーツの競争優位性は、電力が不要なため環境に優しく、時間を気にせず使えるという革新性にあり、防水防塵機能により屋外作業にも対応可能だ。労働者保護に対し高い意識を持ち、かつ、労働人口の高齢化が見込まれる欧州市場での課題解決にイノフィスの技術の商機があると見込み、欧州市場へのアプローチを開始したとのことだ。今後は、欧州のみならず、同じ課題を持つ北米にも事業を拡大していく予定だという。同社は「生きている限り自立した生活を実現する」をミッションとし、少子・超高齢社会における課題先進国の日本から世界へ向けて、人が生涯にわたり活躍し続けられるための技術開発にいそしむと話している。
イノフィス事業推進部マネジャーの佐々木俊介氏(同社提供)
今回の欧州における初の代理店契約を皮切りに、フランス、スペインでの同社製品の販売が始動し、今後、欧州各国へのさらなる展開が期待される。
ジェトロはイノフィスの欧州展開に当たり、「グローバル・アクセラレーション・ハブ」事業の一環として、メンタリング、パートナー探しや、ビジネスマッチングなどの支援を提供した。
(遠藤朋美)
(フランス、スペイン、日本)
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