米カリフォルニア州知事の解職求める署名が211万件以上に、リコール投票濃厚に

(米国)

サンフランシスコ発

2021年03月22日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事のリコールを求める署名集めが3月17日に締め切られ、最終的に211万7,730件集まったと、署名活動を行う団体「リコール・ギャビン2020」が発表した。

同団体は、知事解職の是非と後任知事を決める住民投票(リコール投票)を実施するのに必要な署名数約150万件を締め切りの約1カ月前の2月時点で集めていたが、無効署名が発生することに備えて200万件を目標に活動を続けていた(2021年2月19日記事参照)。同団体によると、独立の第三者機関によって約196万件の署名が有効として事前照合済みだ。これにより、リコール投票が実施される可能性が高い。

リコール投票の時期は、今後の諸手続きにどれくらいの時間をかけるかによっても変わってくる。非営利政治・選挙情報サイトのバロットペディアは、諸手続きに割り当てられた時間を最大使えば、10月中に実施されるだろうと予想する。他方、地元メディアの「サンフランシスコ・クロニクル」紙は11~12月までは投票は行われないだろうと予想している。

ニューサム陣営が立ち上げた反リコール・キャンペーンサイトでは、リコール運動は共和党やトランプ前大統領を支持した極右グループが中心になっていると位置付けている。一方、リコール・ギャビン2020のランディ・エコノミー広報担当は、約210万件集まった署名には無党派層や民主党、その他の党支持者が38%含まれるとし、リコール運動が共和党支持の極右グループによるものとの指摘に反論した(「サンフランシスコ・クロニクル」紙電子版3月15日)。

マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学が3月15日に発表した世論調査(注)結果によると、「ニューサム知事の知事としての働きを評価するか」との問いに、「評価する」41.8%、「評価しない」40.3%と分かれたが、解職については、「知事続投に投票」が42%と「解職に投票」(38%)を上回った。

なお、リコール投票が実施された場合に立候補することを現時点で表明しているのは、ケビン・ファルコナー・サンディエゴ前市長(共和党)、2018年の同州知事選でニューサム知事に敗れたジョン・コックス氏(共和党)、ダグ・オシ元下院議員(共和党)。

(注)実施時期は3月12~14日。対象者はカリフォルニア州の有権者で、回答者1,045人。

(田中三保子)

(米国)

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