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ブラジル政府がスタートアップ向け支援を拡充

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年03月31日

ブラジル経済省は3月12日、2013年から開催している政府系最大のアクセラレーションプログラム「イノバチバ・ブラジル(InovAtiva Brasil)」(注)を2021年も開催することを発表した。今回のプログラムは、支援対象となるスタートアップ企業を選定し(4月26日結果発表)、スタートアップ企業向けにオンラインを通じて分野別の専門家によるメンタリングなどを提供する(5月31日開始)。最終的には、投資家に向けたプレゼンテーション機会(8月9日開催)を用意する。2020年までは、同プログラムの支援対象は160社までとしていたが、今回から約400社に拡大。ブラジルのイノベーション・エコシステムのさらなる強化を目指すという。

プログラムを拡大した理由として、「新型コロナウイルス禍」でブラジル発の有望なスタートアップが多数生まれており、投資家がその存在に注目していることが挙げられる。3月12日付の現地紙「エスタード」によると、「新型コロナ禍」で、オンライン化やデジタル化を余儀なくされたビジネスが増加し、ビジネスモデルの見直しやイノベーション促進の重要性が再確認されているという。投資家はこの変化を「新たなビジネス機会」と捉え、スタートアップ企業への投資意欲を高めている。2020年以降、ブラジル最大の証券取引所で、新規株式公開(IPO)を行うスタートアップ企業が相次いでいる。

例えば、中小企業にウェブサイト運営サービスを提供するLocawebは、新型コロナウイルス感染拡大以前の2020年2月にIPOを行ったが、同時期と比較すると、2021年3月時点で、同社の株価上昇率は600%に達した。そのほか、B2B2Cで多数のゲームアプリをサブスクリプションサービスとして提供するBemobi、不要になった本や洋服、電気製品などを売買できるプラットフォームを提供するEnjoei、オンライン家具販売のMoblyといったスタートアップも、2020年以降に上場を果たしている。

現地の大手ベンチャーキャピタルKPTLのへナト・ハマーリョ最高経営責任者(CEO)は「エスタード」紙のインタビューにおいて、「この傾向は今後も続いていくが、投資家の見方も変える必要がある。長らくスタートアップ企業によるブラジルでの株式公開はまれなことだったため、スタートアップ企業の力量を正確に評価できる投資家ばかりとは限らない」と述べている。この点について、ジェトロがハマーリョCEOに別途インタビュー(3月25日)したところ、「世の中のデジタル化へのニーズはブラジルでも確実に起きており、テクノロジーをベースとした教育、健康、小売り、農業分野のソリューションを持つ企業にとっては好都合な状況。これによりスタートアップ企業がサンパウロ証券取引所でIPOする余地はまだ十分ある」と強調した。その上で、「これらのスタートアップの目利きは深い知見に基づくシングルアセットで考えるべき。ブラジル市場に精通したKPTLはテクノロジー企業の持続的な成長を引き出す点に強みがある」との見解を示した。

(注)経済省とブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE)共催の政府系スタートアップ支援プログラム。サンタカタリーナ州政府によって設立されたイノベーションテクノロジーセンター(CERTI)が2015年から運営を担っている。

(エルナニ・オダ、古木勇生)

(ブラジル)

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