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雇用創出法、労務面での注意点をヒアリング

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年03月11日

インドネシア政府が推進する大規模な規制改革である「雇用創出法」(法律2020年第11号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、インドネシアで操業を行う日系企業の経営環境を変化させている。同法は、ジョコ・ウィドド大統領による署名・発効(2020年11月2日)後、2021年2月2日に運用細則を規定した数多くの政令を公布し、運用段階に入りつつある(2021年2月19日記事参照)。ジェトロは、現地の労務に詳しいインテリジェンスHRソリューション・インドネシアの森智和氏に、同法の注意点について、ヒアリングを行った(3月10日)。

森氏は、今回の改正のポイントとして、業種別最低賃金(UMSK)(注)の廃止、契約更新・終了時の有期雇用社員に対する契約報奨金の新設、そして業務委託要件の削除を挙げた。

最低賃金は、雇用創出法および政令2021年第36号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において、「雇用創出法の制定日(2020年11月2日)以降に決定されたUMSKは取り消す」と定められたことにより、今後は州別最低賃金(UMP)や県・市別最低賃金(UMK)のみを参照することになる。一方、東ジャワ州や西ジャワ州カラワン県では11月2日以降にUMSKが発表され、経営者協会(APINDO)が州政府を相手に裁判を起こすなど、一部の地域では混乱が生じている。森氏は「少なくとも法律上ではUMSKは無効となるが、UMSKが発表された地域では動向を注視することを勧める」と述べた。

有期雇用社員については、今回の改正で契約延長回数に制限がなくなり、契約の最長期間が5年と定められた。一方、契約更新・終了時には、雇用創出法の制定日から雇用関係の終了までの勤続期間に比例して、「契約報奨金」を支給することが義務となった(政令2021年第35号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。森氏は「既存の契約社員に対しても適用されるので、企業側は認識しておく必要がある」とする。なお、インドネシア国籍者のみで、外国人契約社員には適用されない点も注意が必要だ。

業務委託に関しては、旧法では要件として「請け負う業務が、委託側のコア業務でないこと」と定められていたが、政令(2021年第35号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))により同要件が削除された。森氏は「今後、大臣令などで規制が入らない限り、本業であっても他社へ委託することができると理解している」とする。

当局による実際の運用には注意を

森氏はさらに、「政令は発表されたが、労働省による運用ルールなどに関する民間企業向け説明会はいまだ実施されていない」とした上で、「説明会の開催を待ってから、同法への対応を行う方がよい」とコメントした。

(注)特定地域(市・県など)で定められた産業ごとの法定最低賃金。州別、市・県別、業種別の順に最低賃金額が高くなる傾向にあった。

(上野渉)

(インドネシア)

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