1~2月累計の自動車生産、輸出台数は新型コロナ感染拡大前の水準まで回復

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年03月08日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は3月3日、2月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数、輸出台数を発表した。生産台数は前月比10.3%減、前年同月比16.5%減の2万1,809台、輸出台数は前月比26.3%増、前年同月比16.9%減の1万5,055台となった(添付資料図1、図2参照)。1、2月の累計生産台数は前年同期比1.5%減の4万6,117台、輸出台数は同0.6%増の2万6,979台となり、新型コロナウイルス感染拡大前の水準並みとなった。

2月の生産台数の内訳をみると、乗用車が前月比39.3%減、前年同月比29.1%減の6,383台、商用車が前月比11.9%増、前年同月比10.0%減の1万5,426台となった。ADEFAによると、バケーションシーズンに伴う従業員の休暇やメーカー4社が生産ラインの調整を行ったなどの特殊要因により、2月の生産台数が落ち込んだ。乗用車は車両重量が1,500キロ以下の人員輸送用の車両、商用車は車両重量が1,500キロ以下の商業用途の車両を指す。

1、2月の仕向け地別の累計輸出台数をみると、ブラジル向けが1万6,760台と全体の62.1%を占めた。ブラジルに次いで輸出台数が多かったのは、中米向けの2,382台、チリ向けの2,068台、コロンビア向けの1,737台、ペルー向けの1,441台となっている(添付資料表1参照)。オセアニア向け、チリ向け、メキシコ向け輸出の増加が他地域向けの輸出台数の減少を補った。なお、仕向け地別輸出台数の1月分は添付資料表2に掲載したので、参考にされたい。

ADEFAのダニエル・エレーロ会長(アルゼンチントヨタ社長)は「1、2月累計の生産、販売、輸出台数は前年同期比と変わらない水準、つまり新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻っており、3月以降も回復が期待できる」と述べた。また、アルベルト・フェルナンデス大統領は3月1日、通常国会の冒頭に行った演説で、自動車産業への投資インセンティブの創設などを盛り込んだ、「自動車産業とそのバリューチェーン振興のための法案」を、今通常国会で審議する6つの経済関連の法案の1つに挙げている。それに対し、エレーロ会長は「自動車産業が持続可能な産業になる必要条件が整う」と期待を示した。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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