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習国家主席、貧困脱却の達成を宣言

(中国)

北京発

2021年03月09日

中国の習近平国家主席は2月25日に北京市で開催された「脱貧困」実現に功績のあった団体・個人を表彰する式典に出席し、そこで行った重要講話の中で「貧困脱却堅塁攻略戦」に全面的な勝利を収めたことを宣言した。

習国家主席は、現行の基準(注1)に基づく農村貧困人口の9,899万人が全て貧困から脱却し、「貧困県」「貧困村」と認定されていた832県・12万8,000村が全て貧困リストから除外され、地域的な貧困解決と絶対的貧困の撲滅が実現し、貧困削減の歴史上の奇跡となったと評価した。国家統計局によると、中国共産党第18回党大会が開催された2012年以降、年平均1,000万人超が貧困脱却を果たした(添付資料図参照)。

習国家主席はまた、改革開放以降に貧困から脱却した中国の人口は累計7億7,000万人に上り、同期間に減少した世界の貧困人口の70%以上を占めたと指摘した(世界銀行の貧困基準に基づく)。その上で、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGsなどを含む)に挙げられた貧国削減目標を中国は10年前倒しで達成し、世界的な貧困削減に大きく貢献したとアピールした。

中国は2012年11月の第18回党大会で、2020年までの小康社会(ややゆとりのある社会、注2)の全面的建設という目標を設定し、貧困地区の小康なくして全面的な小康社会はないとして、貧困撲滅に取り組んできた。その後、2017年10月の第19回党大会で、重要課題である「三大堅塁攻略戦」(重大・金融リスク防止、貧困脱却、環境汚染防止)の1つとして取り上げ、緻密な貧困対策を推進してきた。習国家主席の講話によると、過去8年間で中央、省、市・県が拠出する貧困扶助基金から累計1兆6,000億元(約27兆2,000億円、1元=約17円)が支出されたほか、25万5,000のチーム、300万人以上の幹部が村に派遣されたという。

習国家主席は講話の最後で、貧困脱却の全面勝利は終点ではなく、共同富裕(ともに豊かになる)の目標の実現に向けて都市と農村の格差縮小に取り組む必要があるとし、今後は貧困への後戻りを防ぎ、貧困脱却の成果の定着・拡大を農村の振興に有効につなげることが重要だと強調した。

大会と同じ日の2月25日には、政府機関の国務院貧困扶助開発指導チーム弁公室が国家農村振興局に改組された。中国政府の発表では、今回の組織変更は貧困脱却の成果であり、中国が貧困脱却支援から今後は農村振興の全面的推進に資源を注ぐことを示すものだとしている。

(注1)「貧困」の基準ラインは、2011年11月の中央貧困扶助開発会議で、2010年の1人当たり年間純収入である2,300元に設定された。毎年の物価変動を考慮すると、2020年の同基準は約4,000元に相当する。なお、2020年の貧困地区農村の住民1人当たり可処分所得は1万2,588元となっている。

(注2)小康社会の全面的建設の最終的な評価と総括については、2020年10月の五中全会後に発表された「第14次5カ年規画(2021~2025年)および2035年までの長期目標の制定に関する建議」に関する習主席の説明の中で、2021年上半期に党中央が実施すると記述された。

(張敏)

(中国)

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