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スリランカ進出日系企業、スエズ運河コンテナ船座礁で不安の声

(スリランカ)

コロンボ発

2021年03月29日

スエズ運河で3月23日、コンテナ船が座礁したことを受け(2021年3月26日記事参照)、スリランカ進出日系企業から不安の声が上がっている。

同国に拠点を設ける日系企業は、「2020年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)PDFファイル(2.8MB)」によると、製品輸出の20%強を北米と欧州向けに輸出しており、他のアジア・オセアニア諸国の進出日系企業に比べ高い割合となっている。中央銀行の統計では、スリランカ全体の製品輸出の29.72%(35億4,887万ドル)が欧州向け、26.29%(31億3,951万ドル)が北米向け(注)となっている。この2地域だけで、輸出全体の56%以上を占めている。このため、欧州と北米に通じる輸出ルートであるスエズ運河が一時的に利用不可もしくは操業が遅延することは、スリランカに生産拠点を設ける企業にとっては大きな懸念材料となる。なお、欧米向け輸出品目は、アパレル製品を筆頭に、紅茶、タイヤを含むゴム関連製品、ココナツ関連製品、冷凍水産品・食品などとなっている。

進出日系企業に3月26日ヒアリングしたところ、消費財を製造する企業からは、詳細確認中としながらも、欧米向け荷物に遅延の影響が出ているとした。加えて、コンテナ不足が続くこの時期、ようやくコンテナを確保して欧米向け製品の輸出にこぎつけた途端に、今回のスエズ運河の事態が発生したためダメージが大きい、一日も早い復旧を願うとコメントした。一方で、スリランカを拠点に海外全域の運輸業務を手掛ける日系企業は、現状、目立った影響はまだ出てきていないものの、今後、欧州、北米、南米向け航路においてはかなり影響を受けることが確実と言及した。

政府は、「新型コロナ禍」で落ち込んだ経済を立て直すべく、2021年以降、2国間自由貿易協定(FTA)の推進や、貿易構造の転換による輸出の拡大を政策に掲げていた。特に主要仕向け地である欧州については、EUとブレグジット(英国のEU離脱)後の英国が、優遇関税制度(GSPプラス)を2021年以降も継続する意向を示していた(2021年1月8日記事参照)ことから、優遇措置を享受しつつ、同地域向け輸出を軌道に乗せていくことが重要と捉えられていた。

(注)スリランカ輸出発展局(EDB)「Export Performance Indicators 2019PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」。

(糸長真知)

(スリランカ)

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