パキスタン政府、新型コロナ関連規制を再度強化

(パキスタン)

カラチ発

2021年03月16日

パキスタン連邦政府国家指揮運用センター(NCOC)は3月11日、首都イスラマバードとパンジャブ州での新型コロナウイルス新規感染者の急増を受け、感染防止対策のための規制を再度強化することを発表した。規制は即時発効した。NCOCは新規感染の減少を受けて、2月24日に規制の大幅な緩和を発表したばかりだった(2021年3月2日記事参照)。NCOCは、足元の感染者数の急増の背景には英国型変異株ウイルスがあるとみて、第3波の襲来に警戒を強めている。3月15日時点の累計感染者数は、首都イスラマバードが4万8,081人(3月1日比:8.4%増)、またパンジャブ州が18万6,659人(8.5%増)となっている。増加率はそれぞれ、全国の累計感染者数増加率(4.5%)の2倍近い伸びとなっている。

規制の概要は以下のとおり。今後、各州からNCOCの決定に基づく発表がされる見通し。

  1. イスラマバード首都特別地域(ICT)は、50%在宅勤務方針の即時実施。
  2. 薬局や食品店といった必須サービスを除き、全ての商業活動の午後10時までの営業時間制限を、即時再実施。
  3. ICTの全ての遊園地は午後6時で閉鎖。
  4. 前回決定で3月15日から許可するとした室内結婚式、飲食店における室内飲食および映画館と聖堂の再開は、取り消し。ただし、屋外飲食とテークアウトについては厳格な標準行動手順(SOP)厳守の下で、引き続き、許可される。
  5. 屋外集会は、SOP厳守の下、300人を上限として、オープンスペースにおいて許可される。
  6. ソーシャルディスタンス確保、マスクの着用、適切な衛生管理と消毒にかかるSOPの実施は継続。違反者には厳しい罰則が科される。
  7. 以上の1.から6.は2021年4月15日まで有効とする。

パキスタンでは、2月3日から前線の医療従事者、3月10日からは60歳以上の高齢者へのワクチンの接種が始まっている。

(山口和紀)

(パキスタン)

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