米ベイエリアのテック大手など、2025年までに有色人種や女性の幹部職の割合25%目指す
(米国)
サンフランシスコ発
2021年03月01日
米国カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアのテック大手を含む約20社が、2025年までに幹部職に占める有色人種や女性の割合を最低25%にする、あるいは、現状から25%以上増やすことを目標にすると、2月19日に明らかにした。
この目標は、シリコンバレーのビジネス団体シリコンバレー・リーダーシップ・グループ(SVLG)が1月に発表した多様性に関する新たな取り組み「トゥウェンティーファイブ・バイ・トゥウェンティーファイブ・ダイバーシティー・イニシアチブ(25x25)」にのっとったもの。SVLGが2月19日に開催したオンライン会議で、SVLGのほか、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズやサンフランシスコ・フォーティーナイナーズ、ユナイテッド航空など17社(注)が25x25への参画を明らかにした。参加企業は目標達成に向け、年次の進捗状況と多様性に関するデータを公表することになっている。
SVLGのアマド・トーマス最高経営責任者(CEO)は25x25の立ち上げに当たり、「多様性のある幹部層はイノベーション、マーケットシェア、収益で具体的な配当を生み出すことが広範囲な研究で既に分かっている。25x25プログラムは、過小評価されている属性から最良の人材を見つけ出し、重役に登用することによって、われわれの産業の長期的な繁栄に対して全力を傾けていく」と述べている。
シリコンバレーの主要産業であるテック産業では近年、従業員や役員の性別や人種構成比に偏りがあることが問題視されており(2018年3月7日付地域・分析レポート参照)、大手テック企業はデータを公表し改善に向けて動き出している。25x25にも参加するツイッターは、2025年までに全世界従業員の半数を女性に(2020年:42.6%)、米国従業員の25%を過小評価されている少数派に(2020年:アジア系28.5%、黒人6.5%、ラテンアメリカ系5.4%、多人種3.9%、先住民1%未満)するとの独自目標を掲げている。
(注)現時点での参画企業一覧(アルファベット順)
- アラスカ航空(Alaska Airlines)
- エクイラー(Equilar)
- フェイスブック(Facebook)
- フレックス(Flex)
- フットヒル・デ・アンザ・カレッジ(Foothill De Anza College)
- リスト(Listo)
- ルメンタム(Lumentum)
- サンタクララ大学(Santa Clara University)
- サンフランシスコ・フォーティーナイナーズ(The San Francisco 49ers)
- サンフランシスコ・クロニクル(The San Francisco Chronicle)
- シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)
- スタンフォード大学ルシール・パッカード小児病院(Stanford Lucile Packard Children’s Hospital)
- サンパワー(SunPower)
- ツイッター(Twitter)
- ユナイテッド航空(United Airlines)
- ウェスタンデジタル(Western Digital)
- ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)
(田中三保子)
(米国)
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