第13次国家経済社会開発計画(2023~2027年)の議論を開始

(タイ)

バンコク発

2021年03月11日

タイの国家経済社会開発委員会(NESDC)は3月1日、第13次国家経済社会開発計画(2023~2027年)の枠組みの議論を始めたことを明らかにした(NESDC発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。憲法上、タイの内閣は「20カ年国家戦略(2018年~2037年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に従って政策を遂行しており、その第1期である第12次計画は2022年9月に終了する見込み。第2期の第13次計画案の策定に当たっては2022年初まで議論が続く見込みだ。

NESDCから議論のベースとして示された第13次計画の素案では、タイは4つの変容を目標とする。概要は以下のとおり。

  • 資源主導型経済からイノベーション・知識主導型経済への変容。環境に優しい高付加価値経済への変容。天然資源の効率的利用、環境負荷の低減をしつつ、知識、創造性、技術、イノベーションによる付加価値の創出により、経済の競争力を高める。
  • 全ての人々が機会を得られる社会への変容。人々は適切な社会的保護を受け、平等に経済成長に貢献し、その恩恵を受ける。ビジネス、地域、所得、安全の面で不平等を縮小させる。
  • 環境に害を与えての生産・消費から、環境に優しく安全な生活様式へと変容させる。社会の全集団が持続可能な生活様式を創造し、環境上の持続可能性に貢献する経済活動を行う。環境変化への対応力を持つ。
  • タイを持続的に価値創造型経済・社会へと変えていくため、非熟練労働力と時代遅れの政府から、高い技術を持つ労働力・政府へと変容させる。

4つの変容を達成するため、国家としての13の方向性が以下のとおり示されている。

  1. 高付加価値農業・加工食品の先進国となる
  2. 価値・持続可能性を強みとする観光地となる
  3. ASEANにおける電気自動車の生産拠点となる
  4. 高付加価値な医療・健康の中心地となる
  5. 地域の貿易・投資・物流のゲートウェイとなる
  6. ASEANにおけるスマート・エレクトロニクスやデジタルサービスの拠点となる
  7. 大企業と中小企業の格差を縮小する
  8. 地域間格差を縮小する
  9. 社会的な昇進の機会を増やし、所得と貧富の格差を縮小する
  10. 循環型・低炭素経済を有する
  11. 自然災害リスクに適応し、軽減を可能とする
  12. 将来の発展に効率的に対応するため、継続的学習に熱心な熟練労働力を有する
  13. 熟練した政府部門を有する

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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