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4,800万人超に迅速な新型コロナワクチン接種、IT活用がカギに

(インド)

ベンガルール発

2021年03月24日

インドでは、1月16日から新型コロナウイルスのワクチン接種が開始(注1)され、3月23日午前8時時点で既に約4,806万人が1回目の接種を終えるなど、迅速なワクチン接種が進んでいる。これを可能としたのは、ITの活用だ。インドのITを活用したこの予防接種予約プロセスを紹介する。

インド政府は2020年4月から公式の新型コロナウイルス対策アプリ「アローギャ・セツ(Aarogya Setu)」(ヒンディー語で「ヘルスケアへの架け橋」を意味)のサービスを開始した。このアプリでは、インド全国や各州の感染者数などの統計へのアクセス、政府の通知やワクチン接種の予約などが可能となる。インドには24の公用語がある中、このアプリは当初、英語とヒンディーなどの4言語にしか対応していなかったが、3月1日現在で12言語に対応している。

それに加え、各州政府も州ごとの公用語と英語、ヒンディー語に対応した独自のアプリを提供している。ユーザーの近所の感染者の状況や医療機関の位置、オンラインでの問診など、生活に密着したサポートがアプリ上で可能となっている。

予防接種の登録は、「Aarogya Setu」アプリ、またはインド政府のデジタルプラットフォーム「Co-Win」(https://www.cowin.gov.in外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2021年1月20日記事参照)で個人認証を経て行う(写真1参照) 。

写真1 アプリによる予約画面(インド電子情報技術省提供)

写真1 アプリによる予約画面(インド電子情報技術省提供)

登録操作手順はまず、個人認証のための証明書種別を6種類〔アダールカード(注2)、運転免許証、納税者カード、パスポート、年金手帳、有権者IDなど指定された写真付きID〕から1種類を選択し、ID番号、氏名、性別、生年を入力する。この個人認証により、まず接種対象となっているかどうかの確認が行われる。同時に4人分の登録が可能だ。

次に、接種対象と確認できた場合、画面上で近隣のワクチン接種会場と接種時間を選んで予約を行う。予約票は「India Stack」を構成するインド政府提供アプリの「DigiLocker」に電子的に保存されるほか、登録した携帯電話宛てにSMSでも送付される。さらに、1回目のワクチン接種完了後、2回目の接種日が28日後に自動的に予約される。

この仕組みにより、3月23日午前7時現在で公表されている1回目の接種済みの者は4,039万1,575人、2回目の接種も終わった者は766万9,216人となっており、最新の数字は保健省のサイトで確認できる(写真2参照)。

写真2 政府サイトにおける予防接種関係情報(インド保健・家族福祉省提供)

写真2 政府サイトにおける予防接種関係情報(インド保健・家族福祉省提供)

個人の認証情報の電子化が終わっているインドでは、新型ワクチン予防接種の予約プロセスは全てペーパーレスで、手元にアプリをインストールしたスマートフォンが1台あれば完結する。この仕組みは、正確なワクチン需要が把握できるため、広大なインド各地へのワクチン輸送の効率化にも資する。

(注1)1月13日に英国アストラゼネカ、インド地場のバーラト・バイオテックの2社が開発した新型コロナワクチンの緊急使用が承認され、同月16日から接種が開始された。

(注2)アダールカードは、日本のマイナンバーカードに相当する国民IDで、個人の虹彩と指紋のデータを元に12桁の番号が割り振られている。

(遠藤豊)

(インド)

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