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ジェトロ、米試作加工品市場のセミナー開催、求められる顧客目線の営業戦略

(米国、京都)

京都発

2021年03月12日

ジェトロ京都事務所は2月22日、米国の試作加工分野の最新事情を紹介するオンラインセミナーを、京都府、公益財団法人京都産業21と共催した。これから海外展開に取り組む京都府内の企業を対象とする京都府の「ものづくり新市場開拓支援事業」の一環として行った。

セミナーではまず、現地でのビジネス経験を持つ有識者が米国市場の動向などを解説した。シリコンバレーで30年以上製造業に携わってきた遠藤吉紀氏は「FAANG+TM」(注1)と呼ばれる米国の巨大IT企業の間で、サービスのさらなる浸透に向けて新たなデバイスやハードウエアへのニーズが高まっていると説明した。また、最も大きな変革に直面しているのは電気自動車(EV)の存在感が増す自動車産業で、遠藤氏自身が以前身を置いたテレビ製造分野のように日本企業のシェアが大きく縮小しかねないと警鐘を鳴らした。一方で、日本企業は優れた加工技術を有していることから、品質や納期などに課題を抱える米国企業の事情に合わせたマーケットイン(顧客中心主義)による営業に活路を見いだすべきだと強調した。

続いて、シカゴで日系企業向けに米国進出のコンサルティングサービスを提供する金子泰久氏が、米国の製造業の中心地である中西部への企業進出状況と、自動車や医療機器、航空宇宙といった同地域の主な産業・製品について説明した。現地商談会では商品を見たバイヤーから日本企業の技術が高く評価されているという。一方で、日本企業は営業面で課題を抱えていることが多いが、自社製品を採用することで顧客にどのような利点があるのか、数字やデータで示すことが有効だと指摘した。加えて、実際の展示会と比べて低予算で参加できるオンライン展示会やターゲット顧客への自発的な働き掛け、インスタグラム(Instagram)やリンクトイン(LinkedIn)などのSNS、BtoB専用の検索エンジンの活用といった、新型コロナウイルス禍の下で適応する営業手法も紹介した。

後半に行われたパネルディスカッションでは、スタートアップ企業の試作や量産化を支援するモノヅクリベンチャーズ(Monozukuri Ventures)の牧野成将氏がモデレーターを務め、米国への具体的なビジネス展開について議論を交わした。多品種少量生産による切削加工の試作品を米国で展開するヒルトップ(HILLTOP)の山本勇輝氏は「コロナ下の今は、対面による展示会を活用できないため痛手を被っているが、現在も試作品へのニーズは高い」と語った。

パネリストからは、米国への進出は地歩を固めた上で進めるべきであり、まずは現地で顧客を確保するため商品を販売するセールスレップ(営業代行)やディストリビューター、ジェトロの「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」(注2)を活用するべきという、自らの経験に基づいた意見が上がった。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(注1)フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)、アップル(Apple)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google)、テスラ(Tesla)、マイクロソフト(Microsoft)の頭文字を指す。

(注2)米国における2020年度サービスは終了。2021年度サービスは4月以降順次開始予定。

(大井裕貴)

(米国、京都)

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