ドイツ自動車大手、2020年の販売台数減少も低排出ガス車は好調

(ドイツ、世界)

ミュンヘン発

2021年02月02日

フォルクスワーゲン(VW)グループ、ダイムラー、BMWのドイツ自動車大手3社は2021年1月、2020年の全世界での乗用車販売台数を相次いで発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響などを受けて、販売台数は3社ともに前年比で1割程度減少した。一方で、低排出ガス車の販売台数は3社とも急増した。中国市場での販売台数は、VWグループが9.1%減となる一方、ダイムラーとBMWは過去最高を記録した。

VWグループの2020年の販売台数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)は、前年比15.2%減の930万5,400台だった。地域別では、西欧が21.6%減の293万9,900台となったほか、最大の販売台数を誇る中国市場(香港を含む)が9.1%減の384万9,000台にとどまったことが、全体の大きな減少につながった。ブランド別では、グループ内最大の販売台数を占めるVW乗用車が15.1%減の532万8,000台で、全体の減少の最大要因となった。

全体の販売台数が減少する中、低排出ガス車は急増した。バッテリー電気自動車(BEV)は前年比約3.1倍の23万1,600台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は約2.8倍の19万500台だった。売れ筋車種は、BEVがVW「ID.3」(5万6,500台)、アウディ「e-tron」(4万7,300台)、VW「e-Golf」(4万1,300台)など。PHEVはVW「パサート」(2万7,200台)、アウディ「Q5」(2万3,500台)などだった。

ダイムラーの2020年の販売台数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)は、前年比10.3%減の220万2,578台だった。地域別では、欧州が16.4%減の78万4,183台となる一方、中国は11.7%増の77万4,382台と過去最高の販売台数を記録した。BEVおよびPHEVが全販売台数に占めるシェアは、2019年の2%から7.4%に拡大した。ダイムラーは、さらなるモデルの拡充を受けて、2021年のBEVおよびPHEVの販売割合は約13%まで伸びると予測している。

BMWの2020年の販売台数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)は、前年比8.4%減の232万4,809台だった。地域別では、米州が19.7%減、欧州が15.7%減となる一方、中国は7.4%増で過去最高の77万7,379台を記録した。BEVとPHEVと合わせた低排出ガス車は31.8%増の19万2,646台となった。

(注1)乗用車に加えて、VWグループ内のスカニア、マンのトラック台数を含む。

(注2)メルセデス・ベンツおよびスマートの合計。

(注3)BMW、ミニ、ロールスロイスブランドの合計。地域別の数値にはロールスロイスを含まない。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、世界)

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