1月の自動車販売、UV(多目的車)が乗用車の伸びを牽引

(インド)

ベンガルール発

2021年02月26日

インド自動車工業会(SIAM)は2月11日、1月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車販売〔多目的自動車(UV)とバンを含む〕は前年同月比11.1%増の27万6,554台で、6カ月連続でプラス成長となった(添付資料表1参照)。うち、一般乗用車は1.2%減の15万3,244台、バンは5.9%減の1万1,816台と再びマイナスに転じた。一方、UVは11万1,494台で37.3%の大幅増となり、引き続き乗用車販売を牽引した。

メーカー別でみると(添付資料表2参照)、主要メーカー12社のうち、9社がプラス成長を記録。首位のマルチ・スズキの販売台数は13万9,002台で、前年同月比0.6%の微減となったものの、約50%の市場シェアを維持した。韓国の現代自動車と起亜自動車は、それぞれ23%超の伸びをみせた。また、新規モデル導入を背景に、日系のホンダ、トヨタおよび日産の販売も大幅に伸びた。車種別で分析すれば、消費者の好みが小型SUV(スポーツ用多目的車)に移りつつあり、今後もスズキの「ビターラブレッツァ」と「エス・クロス」、現代の「ベニュー」と「クレタ」、起亜の「セルトス」、中国の自動車大手の上海汽車集団(SAIC)傘下の英国系MGモーターの「ヘクター」、トヨタの「アーバンクルーザー」、ルノーの「トライバー」と「キガー」などの主流モデルを中心とした、UVセグメントが乗用車販売を支えていくとみられる。

二輪車は、前年同月比6.6%増の142万9,928台となり、好調な伸びを続けている(添付資料表3参照)。うち、スクーターの販売台数が9.1%増の45万4,315台、オートバイは5.1%増の91万6,365台となり、それぞれプラス成長を確保した。

乗用車、二輪、三輪車を含む全体の自動車販売総数は、前年同月比5.0%増の173万2,817台だった(添付資料表1参照)(商用車の単月販売データは2020年4月以降、公表されていない)。SIAMは今後について、「半導体関連部品や鉄鋼などの原材料不足とそれに伴う価格高騰、自動車部品輸送用のコンテナ不足による物流コスト上昇など、サプライチェーン関連の不安要因による生産への影響が依然継続するため、不透明感が引き続き残る」との見方を示している。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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