海南省の2020年GRP成長率は3.5%、免税品が消費を牽引

(中国)

広州発

2021年02月05日

中国・海南省統計局は1月21日、同省の2020年の域内総生産(GRP)成長率は3.5%で、5,532億3,900万元(約8兆8,518億2,400万円、1元=約16元)だったと発表した。産業別では、第一次産業が2.0%増、第二次産業は1.2%減、第三次産業は5.7%増だった。

消費、投資ともにプラス成長、自動車関連や化粧品の売り上げ好調

項目別にみると、固定資産投資は前年比8.0%増となった。うち、非不動産開発投資が18.4%増と伸びを牽引した。インフラ投資は0.4%増、不動産開発は0.4%増となった。一定規模以上の工業企業(注1)の付加価値増加額は4.5%減だった。

社会消費品小売総額は前年比1.2%増で、内訳を見ると、商品小売りは5.0%増、飲食は23.0%減だった。一定限度額以上の企業(注2)の小売りでは、自動車関連が22.0%増、化粧品類と金銀宝石類はそれぞれ2.3倍、2.0倍と大幅増になった。同省統計局によると、離島免税品消費と自動車関連消費が成長の要因となったという。

海南省は2020年7月1日から、1人当たり年間離島免税品購入の限度額を3万元から10万元に引き上げて、消費の促進を図っており(2020年7月9日記事参照)、1月31日には新規に海控全球精品(海口)免税城(1期)と海口観瀾湖免税城が開業し、省内の免税店は計9店舗となった。

貿易額は前年比3.0%増の933億元で、うち輸出は19.6%減、輸入は16.8%増だった。輸入を品目別に見ると、上位3位は化粧品(2.8倍)、機電製品(58.9%減)、基礎有機化学品(2.9%増)だった。前述の離島免税購入額の引き上げにより化粧品の売り上げが好調で、輸入増につながった。

(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(注2)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の卸売企業、その年の主な業務による売上高が500万元以上の小売企業、その年の主な業務による売上高が200万元以上の飲食および宿泊企業。

(梁梓園)

(中国)

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