新型コロナ検査の停滞続く、感染拡大の恐れ

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2021年02月17日

ミャンマー保健・スポーツ省の発表によると、2月15日午後8時までの24時間に確認された新型コロナウイルス新規感染者は36人だった。しかし、1日当たりの検査数は、国軍が権力を掌握する直前の1月31日までの1週間は1万6,000~1万8,000件程度で推移していたのに対し、2月に入ってからは著しく減少の一途をたどり、15日の検査数は887件と20分の1程度に急減している実態も併せて考える必要がある。

医療機関に出勤しないことで国軍への抵抗を示す職場のボイコット運動(Civil Disobedience Movement: CDM、以下CDM)に、全国100カ所以上の病院や医療機関の医師や看護師など多くの医療従事者が参加しているため、検査態勢が機能不全に陥りつつある。このため、国内で広範囲に行われている抗議デモに伴う「人の集まり」が継続的に行われることにより、今後、水面下で感染が拡大する恐れがある。

保健・スポーツ省は現在の抗議デモに伴う新型コロナウイルスの第3波到来への警鐘を鳴らし、国民に対し予防措置の順守を促している。また、CDMに伴う医療従事者の人手不足により、新型コロナワクチン接種プログラムに遅延が生じていると現地メディアは報じている。ミャンマーでは1月27日からワクチン接種が始まっている(2021年1月29日付記事参照)。

2月15日までの感染者数は累計14万1,637人、回復者数は13万465人、死者数は3,190人、総検査数は247万6,797人となっている。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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