政府、社会保険加入者への現金給付を承認、新型コロナ対策
(タイ)
バンコク発
2021年02月18日
タイ政府は2月15日、新型コロナウイルス対策として、新たな現金給付策を閣議承認した。1月から実施した現金給付策「ラオ・チャナ」(2021年1月20日記事参照)で対象外となった社会保険加入者に対する措置となる。政策名は「モー33・ラオ・ラック・カン」(タイ語で「33条愛し合う」の意)。
閣議公表資料によると、給付対象者は約927万人。1人当たり4,000バーツ(約1万4,000円、1バーツ=約3.5円)を4回に分けて給付する。政府が開設した専用サイトから登録し、登録期間は2月21日から3月7日まで。予算総額は約371億バーツを想定する。
受給資格は、(1)18歳以上のタイ人、(2)社会保険法第33条の被保険者であり、内閣が本政策を承認した時点で社会保険に加入している者、(3)福祉カード非保持者、(4)2020年12月31日現在、金融機関の口座に50万バーツを超える預金がない者の全ての要件を満たす場合が対象。
ラオ・チャナを実施した際、現金の給付対象者に社会保険料納付者が含まれていなかったことに対する批判が多数あった。これを受け、スチャート・チョムクリン労働相は「社会保険に加入する労働者も当然に新型コロナウイルスの影響を受けており、政府が行う支援策から除外されることは不公平だ」などと述べていた(「バンコク・ポスト」紙1月29日)。
(岡本泰)
(タイ)
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