2020年の広東省GRPは前年比2.3%増、投資が牽引

(中国)

広州発

2021年02月09日

中国の広東省統計局は1月24日、同省の2020年の域内総生産(GRP)速報値は前年比2.3%増の11兆760億9,400万元(約177兆2,175億円、1元=約16円)だったと発表した。同省のGRPは32年連続で全国トップを維持している。

固定資産投資が経済を下支え

産業別では、第一次産業が前年比3.8%増の4,769億9,900万元、第二次産業は1.8%増の4兆3,450億1,700万元、第三次産業が2.5%増の6兆2,540億7,800万元だった(添付資料表参照)。

項目別にみると、固定資産投資額は前年比7.2%増、うちインフラ投資が11.6%増と成長を下支えした。他方、社会消費品小売総額は前年比6.4%減の4兆200億元と減少した。

貿易総額は前年比0.9%減の7兆845億元と微減だったが、中国全体の22%を占め省・市別で最大となった。うち、輸出は0.2%増の4兆3,498億元、輸入は2.6%減の2兆7,347億元だった。

国・地域別でみると、ASEAN10カ国向けは輸出が前年比10.3%増の5,413億9,000万元、輸入は2.9%増の5,445億9,000万元と輸出が2桁増となった。米国向けは輸出が6.1%増の7,390億6,000万元、輸入は8.8%減の1,037億9,000万元となったため黒字が拡大した。日本向けは輸出が1.6%減の1,659億元1,000万元、輸入は4.9%減の2,699億元だった。

輸出品目別でみると、防疫物資が前年比81.7%増の2,278億8000万元で、そのうち、マスクを含む織物は倍増、医学薬材と薬品、医療器具と器械はそれぞれ41.5%増、35.8%増となった。パソコンとその関連部品は9.2%増加した。

深セン市は輸出入ともにプラス成長維持

都市別に見ると、広州市のGRP成長率は前年比2.7%、深セン市は3.1%だった。項目別では、固定資産投資が広州市で10.0%増、深セン市は8.2%増となっており、いずれも投資が経済を下支えした。社会消費品小売総額は、広州市が3.5%減、深セン市が5.2%減だった。貿易について、広州市は輸出が3.2%増、輸入は13.6%減と、輸入が大幅減となった。広東省の貿易額の4割を占める深セン市は、輸出が1.5%増、輸入が3.6%増と、いずれもプラス成長を維持した。

(盧真)

(中国)

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