スーダンが米ドルの為替レートを一本化、金融機関は大幅な通貨切り下げ

(スーダン、エジプト)

カイロ発

2021年02月24日

スーダン財務省および中央銀行は2月21日、対米ドルの為替レートを公定レートに一本化し、公定レートの上下5%以内に設定するよう、市中の銀行や両替所に指示を出した。これを受けて、現地大手銀行は1ドル=375スーダン・ポンドと設定しており、それまでの公定レート55スーダン・ポンドから大幅に切り下げたことになる。

スーダンでは、これまで公定レートと並行レートとの差が大きく乖離していたが、今回の新制度で大幅な通貨切り下げとなり、物価や人件費などの高騰が懸念される。

今回の決定は、同国の財政健全化を目指すIMFなど国際機関の監督・指導によるもので、債務救済に向けた動きが活発化するなど、国の再建に向けた大きな進展として注目を集める一方、低所得者にとっては、価格上昇など深刻な問題に直面する可能性もある。2020年に決定した現金給付プログラム(2020年9月23日記事参照)も、まだ実行されていない。

現地報道によると、政府は、銀行が適用する各種金利の適用に制限をかけることに言及しており、国民の混乱を回避する狙いとみられるが、2020年下半期には燃料価格が約400%、生活必需品や食料価格も15~20%上昇するなど、消費財の価格は継続的に上昇している。

(常味高志)

(スーダン、エジプト)

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