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インド、中国やパキスタンにらみ、ワクチン外交を推進

(インド)

アジア大洋州課

2021年02月16日

インドは、新型コロナウイルスワクチン確保が困難な途上国に対し、ワクチンの無償提供を行う「ワクチン外交」を推進している。ワクチンの生産国である利点を生かしながら、地域諸国間の連携を強化する。

インド政府は、最近では2月7日に、カンボジア向けにワクチン出荷の承認を発表した。さらに今後数週間で、カリブ海諸国、大洋州諸国、ニカラグア、アフガニスタン、モンゴルへの提供を計画中と発表した(「タイムズ・オブ・インディア」紙2月7日)。インドは、ワクチンの国内接種を開始した1月16日から間もない19日、近隣6カ国(ミャンマー、バングラデシュ、セーシェル、ネパール、ブータン、モルディブ)への提供開始を発表。その後も各国への提供を進め、2月7日の発表に至るまでには、17カ国(注)に、1,560万回分の供給を表明していた。

提供しているワクチンは、英国オックスフォード大と英国製薬大手アストラゼネカが開発し、地場セラム・インスティテュート・オブ・インディア(SII)が製造する国産ワクチン「コビシールド」。このワクチンは、摂氏2~8度の温度での保管が可能となり、既存設備で対応できる。そのため、保管・輸送設備が不十分な途上国への普及が期待されている。

ワクチン外交の背景には、2020年6月に北部ラダック地区の中国との国境係争地帯で発生した印中軍の衝突(2020年6月26日記事参照)以来、関係が冷え込む中国に対抗する狙いもあるとみられる。印中の双方は、それぞれの異なる関係国にワクチンを提供しているが、アジアでは、同一国にワクチンを提供し合う構図もみられる。インドが10万回分の提供を発表したカンボジアは、中国とのつながりが強く、中国が100万回分の提供を既に表明していた。

ミャンマーに対しては、1月11日に、中国は30万回分の無償供与を表明していた中、1月22日にインドから150万回分のワクチンが、中国より先に到着することとなった。

インドは、隣国パキスタンとも印パ戦争など、長年の国境問題を抱える。そのパキスタンに対しては、中国が50万回分のワクチンの無償提供を決定している。インドは、アフガニスタンに50万回分のワクチンを提供することで、パキスタンの隣国に位置するアフガニスタンとの関係強化に努めている。

(注)前述の「近隣6カ国」に加え、モーリシャス、スリランカ、アラブ首長国連邦(UAE)、ブラジル、モロッコ、バーレーン、オマーン、エジプト、アルジェリア、クウェート、南アフリカ共和国。

(坂本純一)

(インド)

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