米CDC、公共交通機関でのマスク着用を義務化、ニューヨーク市は2月14日から屋内飲食再開の可能性
(米国)
ニューヨーク発
2021年02月02日
米国疾病予防管理センター(CDC)は1月30日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、米国発着の海外旅行や米国内での移動で公共交通機関を利用する際、マスク着用を義務付ける行政命令を発表した。2月3日の官報で公示するが、命令自体は米東部時間2月1日午後11時59分から有効となる。対象となる交通機関は、航空機、船、フェリー、鉄道、地下鉄、バス、タクシー、ライドシェアなどとされており、空港、船乗り場、鉄道や地下鉄、バスの駅構内なども含まれる。ジョー・バイデン米大統領は1月21日に、公共交通機関でのマスク着用義務化に関する大統領令に署名(2020年1月25日記事参照)しており、今回の行政命令は同大統領令に基づく措置となっている。
CDCは発表の中で、「公共交通機関では、しばしば長時間にわたり他人と接近し、他人が頻繁に触った物に触れることで、新型コロナウイルスに感染したり、他人に感染を広げたりするリスクが増加する。マスクは、感染しながら症状がまだ出ていない者、または無症状者が感染を広げることを防止するのに役立つ」とした。CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、マスクは公共の場にいる誰もが着用することにより、感染拡大防止の効果が最大限に発揮されると述べた。CDCのウェブサイトによると、マスクは鼻と口を完全に覆うように着用する必要がある。また、マスクは通気性のある生地を2層以上重ねて作られたものでなければならない(注)。
ニューヨーク市内では屋内飲食を再開へ
ニューヨーク州政府は1月29日、新型コロナウイルス感染率と入院者数が減少傾向にあることを受け、このまま感染状況の改善が続き、公衆衛生が守られている場合には、ニューヨーク市内の飲食店について、2月14日から収容率25%以下での屋内飲食の営業再開を許可すると発表した。また、結婚式も3月15日以降、各自治体の保健局による許可を得た上で開催可能となる。収容率50%以下で150人を上限とし、出席者全員が事前に検査を受けることが求められる。いずれも、感染者数の減少という条件付きなため、今後変更や、地域によっては対象外となる可能性もある。
ニューヨーク州内で屋内飲食の営業再開を予定している飲食店は、州政府による事業再開のガイダンスを読み、内容を確認したことを証言するために、同ガイダンスの最後のページにあるリンク先で必要事項を入力し、オンライン上で提出することが求められる。その上で、次画面に続く安全対策プランを印刷し、従業員の目に届く場所に掲示する必要がある。
(注)このほか、今回の行政命令の要件を満たさないケースなどの詳細についてはCDCのウェブサイトを参照。
(吉田奈津絵)
(米国)
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