飲食店の夜間店内飲食を解禁、新型コロナ関連規制を緩和へ

(香港)

香港発

2021年02月18日

香港政府は、2月17日を期限としていた現行の新型コロナウイルス感染拡大防止措置について、18日から一部緩和すると発表した。10日の新規感染者数が2020年11月中旬からの第4波(注)感染拡大以降3カ月ぶりの低水準となり、13日以降16日までの感染者数もそれぞれ12人、12人、9人、8人と抑制されていることから、政府スポークスマンは「市民の努力により、この1カ月は感染拡大が徐々に収束している。一定の条件の下、諸規制を緩和し、社会・経済活動を再開させる」とコメントした。

緩和後の主な措置は以下のとおり。各措置の期限は3月3日までとなる。

(1)飲食店関連

来店客が新型コロナウイルス感染リスク通知アプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」を利用する、もしくは入店時に氏名・電話番号・日時を登録すること、また、店舗従業員に14日間に1度PCR検査を実施して検査結果を把握することを条件に、以下を認める。

  • 午後10時~翌日午前4時59分はレストラン店内での飲食禁止(これまでは午後6時以降禁止)
  • 1テーブルの着席人数は4人まで(これまでは2人まで)
  • 店内座席数は通常の50%まで、テーブルは1.5メートル間隔とする措置は維持
  • バーの営業は引き続き禁止

(2)諸施設関連

  • テーマパーク(ディズニーランドなど)、博物館、映画館、フィットネスセンター、スポーツ関連施設、美容関連店舗(エステ、ネイルサロン)、マッサージ店などの営業再開
  • サウナ、パーティールーム、ナイトクラブ、カラオケ、麻雀店は引き続き営業禁止

飲食店に予約殺到

地元メディアによると、感染拡大防止措置の緩和発表を受けて、これまで夜間の店内飲食禁止を余儀なくされていた飲食店に予約が殺到している。香港餐飲聯業協会(香港レストラン業協会)の黄家和会長は「(規制緩和当日の2月18日は)多くのレストランが既に予約で満席となり、2月末まで予約で埋まっている。この時期は旧正月を祝うため、誰もが外食を望んでいる」とし、1テーブル4人までという規制は残るものの、企業の会合や小規模の宴会が継続するとコメントした。業界は今回の措置によって3~4割の売り上げ回復を見込んでいる(「リンゴ日報」2月17日)。

写真 飲食店入り口に掲げられている「安心出行」アプリスキャン用のQRコード(ジェトロ撮影)

飲食店入り口に掲げられている「安心出行」アプリスキャン用のQRコード(ジェトロ撮影)

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、7月中旬以降の域内感染拡大を「第3波」、11月中旬以降現在までを「第4波」と呼んでいる。

(渕田裕介)

(香港)

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