1月の自動車販売、引き続き商用車や新エネ車が好調を維持

(中国)

上海発

2021年02月12日

中国自動車工業協会(CAAM)が2月9日に発表した2021年1月の自動車販売台数は前年同月比29.5%増の250万3,000台になった。2020年4月以降10カ月連続で前年同月比増加となっている。

内訳をみると、乗用車が26.8%増の204万5,000台、商用車は43.1%増の45万8,000台。また、新エネ車(乗用車と商用車に含まれる)は3.4倍の17万9,000台だった。新エネ車は2020年7月にプラスに転じて以降、販売台数の回復ぶりが顕著で、2020年10、11月に続き、前年同月の3倍という大きな伸びを示した。

CAAMによれば、中国各地で新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の地域的な大流行が2020年1月以降に相次ぎ、一部の企業の生産や運営に一時的な影響が出ているが、爆発的な感染拡大は抑制されており、マクロ経済は安定し、自動車産業も回復を続けている。ただ、2021年第1四半期については、新型コロナの感染拡大や外部環境においては依然として多くの不確実性がある。特に2020年末以降、車載半導体の供給が逼迫していることは世界的にも一定の影響を及ぼしており、中国の自動車産業の安定にも影響を及ぼすとの見解を示した(2020年12月9日記事参照)。

CAAMは、乗用車、商用車、新エネ車とも堅調な伸びを記録しているが、比較対象となった前年の同時期は春節(2020年の春節は1月24~30日)期間に当たり営業日が少なかった。また、新型コロナの感染拡大期でもあったため、基準値が低く大幅な伸びにつながったと述べた。自動車市場の好調さが維持されているか否かは、3月以降の販売状況をみていく必要がある。

(高橋大輔)

(中国)

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