EU、ユーロ圏の2020年12月の失業率は前月と変わらず

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2021年02月08日

EU統計局(ユーロスタット)の2021年2月1日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2020年12月のEU27カ国全体の失業率(季節調整済み)は前月から横ばいの7.5%、ユーロ圏19カ国でも横ばいとなり8.3%だった(添付資料表参照)。ユーロスタットによると、2021年1月に暫定適用が開始されたEU英国通商・協力協定において、統計データの共有に関して合意されているが、まだデータの共有方法などが確立されていないことを理由に、今回、英国のデータは未発表となった。

2020年12月の失業率を加盟国別にみると、チェコが3.1%と最も低く、スペインが16.2%(ただし、最新データが未発表のギリシャは2020年10月時点で16.7%)と最も高かった。

失業率が前月から悪化した加盟国は、オーストリア(0.3ポイント増)、イタリア、ルクセンブルク、チェコ(ともに0.2ポイント増)、ドイツ、スペイン、フランス、ラトビア、デンマーク(ともに0.1ポイント増)の9カ国だった。

他方、11カ国では前月比で失業率が改善し、中でもポルトガルとキプロスではそれぞれ0.6ポイント、0.5ポイント改善した。

また、12月のEUの失業者数は1,600万人で前月比6万7,000人増、そのうちユーロ圏は1,367万1,000人で5万5,000人の増加となった。同月の25歳未満の若年層の失業者数は313万8,000人で、このうち259万人がユーロ圏の失業者だった。若年層の失業者数の変化を前月比でみると、EUでは4万1,000人の増加、ユーロ圏では3万6,000人の増加となった。

若年層の失業者数を加盟国別にみると、フランス(68万5,000人、若年層失業率:23.4%)、スペイン(59万6,000人、40.7%)、イタリア(39万7,000人、29.7%)が引き続き大部分を占めた。フランス、スペイン、イタリアでは、若年層の失業率が前月からそれぞれ1.3ポイント、0.7ポイント、0.3ポイント悪化した。若年層の失業率が最も低かったのはドイツ(6.1%)で、最も高かったのはスペイン(40.7%)だった。

なお、ユーロスタットによると、新型コロナウイルスに関連した制限措置を受けて、感染拡大以前に比べ、失業手当の申請件数は著しく増加している(注)。

(注)「新型コロナ危機」がEU労働市場に及ぼした影響の詳細は、2020年第2四半期の「労働力調査(LFS)」も参照のこと(2021年1月15日記事参照)。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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