自動車大手の吉利、買収した力帆集団で重慶市でのEV事業展開

(中国)

成都発

2021年02月04日

中国自動車大手の吉利控股集団(以下、吉利)は1月26日、新エネルギーや新材料などの技術開発を手掛ける傘下の吉利科技を通じて買収した力帆実業集団(以下、力帆集団)を力帆科技(集団)(以下、力帆科技)に改称し、電気自動車(EV)の開発・製造とバッテリー交換ステーション事業を展開すると発表した。力帆科技は同日、買収後初車種となる吉利のバッテリー交換式のEVを発表し、重慶市工場で量産を今後開始することも明らかにした。力帆集団は重慶市に本社を置く自動車、二輪車の製造、販売を行う企業。経営が悪化して2020年6月に重慶市中級人民法院に再建型破産を申請していた。

吉利科技は同年9月、重慶市でEV向けのバッテリー交換ステーションを初めて公開し、2021年までに100カ所、2023年には200カ所まで拡大させると発表している。吉利科技は力帆科技とともに重慶でのEV生産、バッテリー交換事業の展開を加速させる方針だ。吉利の徐志豪董事は「吉利の自動車製造技術を生かして、力帆ブランドの再建や生産ラインの改造などを通じて新車種を開発する」と述べた。

東方財富網の報道によると、重慶市両江新区管理委員会は力帆集団の再建を積極的に支援しており、吉利科技傘下の投資会社とともに基金を設立して、吉利を力帆集団の出資者として引き入れた。両江新区は、吉利による力帆集団の再建に期待するとともに、自動車産業が集積する同区に吉利を呼び寄せることで、新エネルギー車やコネクテッドカーの普及を推進する重慶市の中で自動車産業の牽引役としての同区の役割を一層強化していきたい考えだ。

(王植一)

(中国)

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