トヨタ自動車、2025年までに米国で新車の4割電動化を目標
(米国)
ニューヨーク発
2021年02月16日
北米トヨタ自動車は2月10日、2025年までに米国で販売する新車の4割を電動モデルとする目標を発表した。また、2030年までに同社の新車に占める電動モデルの割合は約7割になるとの見通しも示した。足元では、2021年内に完全電気自動車(BEV)を2モデル、プラグインハイブリッド車(PHEV)を1モデル市場投入する。1月28日には、米国ゼネラルモーターズ(GM)が2035年までに新車からの排ガスをゼロにする目標に向け、2020年代半ばまでに世界で30の完全電動化モデルを市場投入すると発表しており、主要メーカーによる電動化目標の発表が相次ぐかたちとなった(2021年1月29日記事参照)。
北米トヨタのボブ・カーター上級副社長(販売部門)は、声明の中で「われわれは約25年前に『プリウス』を先駆的に導入した電動化のリーダーだ。新しい電動モデルにより、顧客のニーズに最適なパワートレインで複数の選択肢を提供する」と述べた。また、同社のチーフサイエンティストで、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のギル・プラットCEO(最高経営責任者)は「あらゆる価格帯や、複数のパワートレインを提供することで、北米全体でより多くの人々がよりクリーンな自動車を利用でき、短期的には総炭素排出量に最大の影響を与えることができる」と述べた。
全米での自動車販売が落ち込む中、2020年に米国でトヨタが販売したハイブリッド車(HEV)、PHEV、燃料電池車(FCV)の合計台数は前年比22.7%増の33万,7036台と好調で、同社が販売する全車種に占める割合は2019年の11.5%から16.0%に上昇した(同社プレスリリース2021年1月5日、注)。また、エネルギー省の統計によると、トヨタは2019年に全メーカーが販売したHEVの6割以上を占め、PHEVでもモデル別で「プリウス」がシェア27.9%を占めて首位になるなど、全米のハイブリッド車市場を牽引してきた。なお、BEVに関しては、2012年に「RAV4 EV」を発売したものの、2014年末に生産を終了しており、今回、BEVの市場投入が実現すれば9年ぶりとなる。
声明ではさらに、サプライヤーやディーラー、物流を含む、企業運営、製品、車両ライフサイクルからの温室効果ガス削減努力についても触れ、具体的には電力網からの二酸化炭素排出量の削減に向け、再生可能エネルギー事業を行うクリアウェイ・エナジー・グループとの間で、風力発電による電力の購入に合意したことも発表した。
(注)トヨタ、レクサスの両ブランドを含む。
(大原典子)
(米国)
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