2020年の日本の廃プラ輸出量、前年比8.6%減の82万トン

(日本、世界)

国際経済課

2021年02月03日

財務省の1月28日の発表によると、2020年の日本の廃プラスチック(注)の輸出量は前年比8.6%減の82万1,000トンだった(添付資料表参照)。廃プラスチックの輸出量は、2014年(167万トン)から7年連続の減少となった。

各国・地域への輸出量は、マレーシアが26万1,000トン、ベトナムが17万4,000トン、台湾が14万1,000トンだった。中国が2017年末から段階的に輸入制限を行ったため、東南アジアや台湾向けの輸出割合が増加傾向にある。マレーシアは、2018年から3年連続で最大の輸出先となり、2020年の日本の総輸出量に占める割合は31.8%だった。マレーシアの構成比は、2017年の5.3%から4年間で6倍に拡大した。他方、2017年まで5割以上を占めていた中国の構成比は、3年間で0.8%まで低下した。

今後の廃プラスチックの輸出にかかわる動きとしては、バーゼル条約の付属書改正が挙げられる。2021年1月1日から、改正付属書が発効し、「リサイクルに適さない廃プラスチック」を輸出する際は事前に相手国に通告して、同意を得ることが必要になった。「リサイクルに適さない廃プラスチック」には、改正付属書VIII(A3210)に該当する「有害な廃プラスチック」と、付属書II(Y48)に該当する「特別の考慮が必要な廃プラスチック」が含まれる。「特別な考慮が必要なプラスチック」の基準は各条約締結国に委ねられており、日本では環境省が判断基準(https://www.env.go.jp/press/108495.html外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表している。

(注)廃プラスチックの輸出量はHSコード3915(プラスチックのくず)に基づき算出。

(柏瀬あすか)

(日本、世界)

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