エリア1天然ガス開発、2024年生産開始に向け21%の進捗率

(モザンビーク)

マプト発

2021年02月18日

モザンビーク北部のカーボ・デルガド州にあるエリア1天然ガス開発コンソーシアム筆頭のフランス資源大手トタルは2月9日のオンライン記者会見で、パトリック・ブヤンヌ会長兼最高経営責任者(CEO)が今後の展望を示した。

同会長は2020年末時点で同プロジェクトの進捗率は21%とし、2024年に天然ガス生産を開始する計画に変更はないと述べた。現段階はエンジニアリングとロジスティックス業務に集中していることに加え、ガス田がある同州沖合での作業も継続しているため、主としてプロジェクトサイト近郊の陸上で発生しているイスラム系武装勢力による治安悪化の問題は、プロジェクトの進捗に大きな影響を及ぼしていないと説明した。

カーボ・デルガド州では2017年10月以降、イスラム系武装勢力が村落や行政施設などを襲撃し、同勢力の鎮圧を図る政府治安部隊や警察との戦闘は2020年を通じて激化していた。エリア1プロジェクトサイト近郊での治安情勢の悪化を受け、トタルは1月にキャンプ地のアフンギ半島から関係者を一時退避することを決定し(2021年1月15日記事参照)、プロジェクト進行にどの程度影響を及ぼすか注目が集まっていた。プロジェクトサイトには最大で1万人の関係者が滞在していたが、一時退避により現在は約1,000人に縮小している。

一時退避の終了のめどに関してブヤンヌ会長は、同社とモザンビーク政府との間でプロジェクトサイトの周囲25キロ圏内の安全が確保されることが人員復帰の最低条件と合意しており、陸上での作業再開を2021年第1四半期(1~3月)末までとする目標だと述べた。ブヤンヌ会長は自身の考えとして、復帰時期の目標は達成可能との見方を示している。

(松永篤)

(モザンビーク)

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