2020年の失業率、15.9%と過去10年で最も高い水準に

(コロンビア)

米州課

2021年02月09日

コロンビア国家統計庁(DANE)は1月29日、2020年の年間の失業率は15.9%だったと発表した。前年比5.4ポイント増の大幅な悪化で、統計が確認できる2011年以降で最も高い数値となった(添付資料図1参照)。2020年の失業率を月ごとに見ていくと、5月には21.4%と2020年で最も高い失業率を記録した(添付資料図2参照)。新型コロナウイルス感染対策でコロンビアでは3月25日から全土で外出禁止措置を実施し、食料品店や銀行などを除いてほぼ全ての経済活動が停止していたことによる。その後、徐々に経済活動は再開したため、失業率も下がり続け、12月には13.4%まで低下した。しかし、前年同月比では3.9ポイント増で、依然として高い水準にある。

都市別の年間の失業率を見ると、主要都市ではボゴタ(18.2%)、メデジン(18.2%)、カリ(20.4%)と全国平均を上回っているが、カリブ海に面したバランキージャは12.3%と統計が発表されている23都市の中では最も低かった。1月29日付「エル・ティエンポ」紙は、バランキージャ近郊にある湿地帯の整備事業により、多くの雇用が創出されたことで同都市の失業率の低下につながったと報じている。

コロンビア中央銀行は2月3日に発表した金融政策報告書で、2021年の失業率は14%と予測している。コロンビアでは年明けから新型コロナウイルス感染が再び拡大しており、その影響を考慮し、2020年に引き続き高い失業率の予測となっている。

(佐藤輝美)

(コロンビア)

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