チェンナイメトロ、1号線の延伸区間が開通

(インド)

チェンナイ発

2021年02月24日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州チェンナイ市内で、鉄道を運行するチェンナイメトロ(CMRL)は2月14日、1号線のウォッシャーマンペット駅からウィムコナガール駅までの区間を新たに開通したと発表した。2019年2月に1号線の当初計画区間が全線開通していた(2019年2月15日記事参照)が、今般、延伸区間として開通した(添付資料図参照)。その結果、2号線も含めたチェンナイメトロの総延長は約54キロとなった。

メトロの運賃は10ルピー(約14円、1ルピー=約1.4円)から最高50ルピーに設定されている。今般開通した最北端のウィムコナガール駅からチェンナイ国際空港駅(最南端)までの所要時間は約60分、価格は50ルピーとなった。一方で、新規開通区間は、当初計画されていなかったため、開通には喜びの声が上がっている(「ザ・ヒンドゥー」紙2月15日)。

ウィムコナガール駅では、エレベーターに、指の接触を避けるための足踏みボタンが設置されたり、車内の消毒が行われたりと、新型コロナウイルス対策が実施されている。

写真 新駅のウィムコナガール駅。中下: エレベーターでは足踏みボタンを設置、左下: 車内では消毒を実施(ジェトロ撮影)

新駅のウィムコナガール駅。中下: エレベーターでは足踏みボタンを設置、左下: 車内では消毒を実施(ジェトロ撮影)

開通式には、モディ首相やTN州のパラニスワミ首相およびパニールセルバム副首相が参加した〔TN州首相と副首相は全インド・アンナ・ドラビダ進歩連盟(AIADMK)所属〕。2021年5月に予定されているTN州議会選挙を見据えて、連邦議会与党のインド人民党(BJP)とTN州与党のAIADMKの連携をあらためて誇示する狙いがあるとみられる。

チェンナイメトロは第1フェーズに続き、総延長が約119キロとなる第2フェーズも計画されている。同計画の経費は2021年度中央政府予算案に組み込まれており、CMRLは一部公共調達を開始している。なお、両フェーズともに、国際協力機構(JICA)が円借款を供与している(2020年1月21日記事参照)

(浜崎翔太)

(インド)

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