チェンナイメトロ、1号線が全線開通

(インド)

チェンナイ発

2019年02月15日

インド南部タミル・ナドゥ州の州都チェンナイ市内で鉄道を運行するチェンナイメトロ(CMRL)は2月10日、1号線のAG・DMS駅からウォッシャーマンペット駅までの区間が新たに開通したと発表した。これによって1号線の当初計画区間が全線開通となり、2018年5月に全線開通した2号線(2018年6月6日記事参照)と合わせて、総距離45キロの第1フェーズが当初の予定から3年以上遅れて完工となった(添付資料参照)。開通式には、モディ首相やパラニスワミ州首相がテレビ中継で参加した。

地元紙によると、新区画の開通で、長距離鉄道のターミナルとなっているチェンナイ中央駅からチェンナイ国際空港駅までの所要時間はわずか30分ほどになった。交通量の多い市内の目抜き通り沿いに位置する両駅を自動車で移動した場合、混雑時には1時間ほどかかることもあり、今回の開通で市内におけるアクセス改善が期待されている(「ザ・ヒンドゥー」紙2月11日)。

運行頻度は、利用者が多い午前8時半から10時半、午後5時から8時半の時間帯は5分に1本、それ以外の時間帯には7分に1本となる。現在の運行スケジュールは午前6時から午後10時となっているが、運行時間の拡大も計画されている。

運賃は10ルピー(約16円、1ルピー=約1.6円)から最大60ルピー。空港駅から中央駅までは片道50ルピーだ。一方、市民の一般的な移動手段であるバスの運賃は、空港-中央駅間が20ルピー程度と安価だ。CMRLは、価格競争力では劣るものの、所要時間の短さや移動時の快適さをアピールし、1日当たり20万人の利用を目指す。

利用者増には課題、第2フェーズの計画も進行中

CMRLは1号線開通後、利用者増に向けた全線無料乗車キャンペーンを実施していたが、一部で設備トラブルによる運行遅れなどが発生し、通勤客や旅行者の足に影響を与えた。また、路線こそ開通したものの、駅の一部出入口や周辺駐車場などがいまだ整備されていない部分もあり、利用者増のためには安定した運行や利便性の向上が課題となりそうだ。

また、チェンナイでは現在、第1フェーズの延伸区間として、1号線のウォッシャーマンペット駅から北に位置するウィムコ・ナガール駅まで、2020年内の開通をめどに工事が進んでいるほか、総距離118.5キロとなる第2フェーズも計画中で、さらなる路線網の拡大が予定されている。

(榎堀秀耶)

(インド)

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