ロックダウンを1月24日まで延長

(オーストリア)

ウィーン発

2021年01月07日

オーストリアのルドルフ・アンショバー保護相は1月4日、同18日からの条件付きロックダウン解除を取りやめ、24日までロックダウンを延長すると発表した。12月に発表した3回目のロックダウン措置では、1月15~17日に実施予定の大規模抗原検査(無料)の陰性証明の提示により、18日から条件付きで再開予定だった全ての小売店とサービス業、宿泊業、飲食業、学校、文化イベントなどの利用を認め、検査を受けない場合は24日までロックダウン措置を延長することを決定していた(2020年12月24日記事参照)。学校の対面授業は18日から再開される予定だが、感染状況により変更になる可能性もある。

ロックダウンの延長理由は、抗原検査の結果は当日のみ有効とされるため、その陰性証明で飲食店など施設への立ち入りを許可することは問題だという感染症の専門家の指摘や、検査結果の管理方法についての不明確さに加え、1日当たりの新規感染者数が引き続き1,000人以上を記録していることなどを背景に、連邦議会(上院)で多数を占める野党が最終的に政府の措置に反対したためとみられる。

国内小売協会のライナー・ウイリ代表は、3回目のロックダウンによる小売業界の売上損失は1月17日までに40億ユーロとなり、24日まで延長することにより、さらに10億ユーロの損失が増え、6万人の雇用に影響すると憂慮した。

(田中由美子)

(オーストリア)

ビジネス短信 f878a23f21c415a7