12月26日から3回目のロックダウンを実施

(オーストリア)

ウィーン発

2020年12月24日

オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は12月18日、3回目のロックダウンを26日から2021年1月17日まで実施すると発表した。2回目のロックダウン(2020年11月18日記事参照)より厳しい内容となる。同首相は「ロックダウン導入により、1月18日までに直近7日間の10万人当たりの新規感染者数を100人以下にすることを目標とする」と述べた。現時点では、1月18日から全ての小売店とサービス業、宿泊業、飲食業、学校、文化イベントなどの再開を条件付きで許可する予定。今回の制限措置は以下のとおり。

〇同一の住居に居住していない他人との接触は基本的に禁止。同一世帯に属する者は他の世帯1人のみと交流可能。

〇終日の外出禁止(ただし以下の場合などを除く)。大晦日も外出、集会を禁止。

  • 身体、生命、財産への直接的危険の回避
  • 助けが必要な人の世話と支援
  • 日常生活を送るために必要な行動(必需品の確保、通院、葬儀への参加、ペットの散歩など)
  • 必要な職務のための通勤
  • 散歩や個人スポーツのような屋外での心身のリラクゼーション

〇生活に必要な小売店(食料品店、薬局、ドラッグストアなど)を除く店舗の営業禁止(ただし、店舗での受け取りは午前6時から午後7時まで可能)。人との接触を伴うサービス業(美容院など)の営業も禁止。

〇宿泊業の営業禁止。飲食店は宅配(終日)とテークアウト(午前6時~午後7時)に限り営業可能。

〇学校は1月7日からオンライン授業に移行。

〇1人で行う屋外スポーツは可能だが、屋内スポーツは引き続き禁止。

〇博物館、美術館などの閉鎖。観劇などのイベントも禁止。

また、2021年1月15~17日に2回目の新型コロナウイルスの大規模な抗原検査を無料で実施する。検査を受けない人には「ロックダウン」を1週間延長する。

同時に入国制限も見直し、12月19日以降、安全国(日本、韓国、フィンランド、ノルウェー、アイルランド、アイスランド、バチカン、オーストラリア、ニュージーランド、ウルグアイ)以外からオーストリアへ入国する場合、10日間の自主隔離を義務付ける。入国から5日経過後に検査を受けて陰性となった場合、自主隔離を終了できる。さらに、政府は12月21日、英国での新型コロナウイルス変異種が確認されたことを受けて、英国との旅客便受け入れを12月22日から2021年1月1日まで停止すると発表した。

このほか、同首相は、新型コロナウイルスのワクチン接種が12月27日に開始される予定と述べた。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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