2021年の実質GDP成長率は5.5%の見通し

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年01月14日

アルゼンチン中央銀行は1月8日、国内外41人の民間エコノミストを対象に2020年12月23~30日に実施した月間のアンケート調査結果に基づき、最新の経済見通しの集計中央値(REM)を発表した(添付資料表参照)。

2021年の消費者物価上昇率(インフレ率)見通しは49.8%で、前回調査比0.2ポイント減少した。2020年は新型コロナウイルス感染拡大を背景に、政府が価格統制を強化した結果、インフレ率は36.7%と40%を下回る見込みだが、2021年は再び50%近くに上昇する見通しだ。

2021年12月の為替レートの月平均値見通しは1ドル=125.8ペソで、前回調査比0.7ペソ安だった。2022年は1ドル=171.5ペソの見通しとなっている。

2021年の実質GDP成長率見通しは5.5%で、前回調査比0.7ポイント改善した。2022年は前回調査比±0ポイントの2.5%の見通しとなっている。

今回の調査から、財の輸出入額、完全失業率の見通しが調査項目に加わった。

2021年の輸出額(FOB)は599億5,850万ドル、輸入額(CIF)は481億4,710万ドルで、貿易収支は118億1,150万ドルの黒字となる見通しだ。国家統計センサス局(INDEC)から既に公表されている2020年1~11月の輸出入額に今回の調査で示された2020年12月の輸出入額の見込みを加えた2020年の貿易額と比較すると、2021年の輸出額は前年比8.2%増、輸入額は13.9%増となる見通しだ。

2021年(第4四半期)の完全失業率の見通しは11.0%となっている。なお、2020年(第4四半期)の見込みは11.7%だ。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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