南部メコンデルタ、高速道路の建設進む

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年01月08日

ベトナム南部メコンデルタのビンロン省で1月4日、ミートゥアン~カントー高速道路建設投資プロジェクトの起工式典が開かれ、2022年までの開通を目指すことが発表された(ベトナム政府ウェブニュース1月4日)。式典にはグエン・スアン・フック首相やチュオン・ホア・ビン副首相らが出席した。

プロジェクトの総投資額は4兆8,260億ドン(約217億円、1ドン=約0.0045円)で、建設期間は2年間。ビンロン省とドンタップ省を通過する全長23キロ高速道路だ。既に開通しているホーチミン(ホーチミン市)~チュンルオン(ティエンザン省)高速道路と、2021年開通予定のチュンルオン~ミートゥアン(ビンロン省)高速道路と接続することで、ホーチミン市からカントー市(注1)までが高速道路で結ばれる。現在、両市間の自動車による移動には3~4時間かかるが、約半分の2時間に短縮される見込みだ。

式典でフック首相はプロジェクトの重要性を強調した上で、2022年までに高速道路を予定どおり完成させるよう要請し、メコンデルタの交通インフラの整備はこの地域に住む2,000万人以上の人々の生活向上に貢献すると述べた。また、メコンデルタの各市省に対しては、政府決議120号(注2)に沿って、主要産業の農業の再構築や自然災害への対策措置を進めるとともに、プロジェクトと連携して沿岸道路を整備するよう提案した。

現在、メコンデルタには13の市省があり、国土面積の12.3%を占める。主要産業は農業、また、国内最大の漁業地帯でもある。ベトナム政府は交通インフラを重点的に整備することで、南部地域の発展を目指したい考えだ。

写真 起工式典の様子(ビンロン省政府提供)

起工式典の様子(ビンロン省政府提供)

写真 式典でのフック首相(ビンロン省政府提供)

式典でのフック首相(ビンロン省政府提供)

(注1)カントー市は南部メコンデルタの中心都市で、ベトナム国内に5つある中央直轄市の1つ。国内有数のカントー大学や日本のODA支援によるカントー橋などがある。

(注2)2017年11月17日付の気候変動に対応したメコンデルタの持続可能な発展に関する政府決議120号(120/NQ-CP)

(小川士文)

(ベトナム)

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