マイクロプラスチックビーズを含む化粧品と歯科衛生用品の生産、輸入、流通を禁止

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年01月15日

アルゼンチンで12月29日、マイクロプラスチックビーズを意図的に添加した化粧品と歯科衛生用品の生産、輸入、流通を禁止することを定めた法律27,602号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが公布された。公布日の2年後から、関連製品の生産、輸入、流通が禁止される。この法律に違反した場合は、医薬品などの輸出入、生産、加工、流通に関する法律16,463号が定める罰則が適用される。

マイクロプラスチックビーズは、石油系ポリマーあるいはバイオベースポリマーの合成物で、固体粒子の大きさが直径5ミリ以下、非水溶性で崩壊しにくいものを指す。

今回の法律で対象となる化粧品は、皮膚、頭髪、爪、唇、歯、口腔粘膜といった人体の外的部分を「衛生的にする、香りで包む、外見を変える、保護する、良好な状態を維持する、体臭を矯正する」ことを目的としたパーソナルケや衛生用品、香水。

歯科衛生用品は、ペースト、ジェル、クリーム状の歯磨き粉、うがい薬のような、口腔内や歯を「衛生的にする、保護する、口腔および歯周組織(硬組織、軟組織)を良好な状態に維持する」ためのもの。

本法案がアルゼンチン議会上院で承認された2020年11月、グラディス・ゴンサレス上院議員は「アルゼンチンの産業界の大部分は既に代替原料をみつけている上、政府は、産業界が対応するために2年の猶予期間を設けている」と述べ、産業界への影響を否定した。

アルゼンチンでは環境関連の規制として、2019年5月以降、ブエノスアイレス市で使い捨てのプラスチック製ストローの使用を禁止する省決議816/2019号が施行されている(2019年6月6日記事参照)。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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