新型コロナ感染者急増、さらなる規制で経済に打撃

(ポルトガル)

マドリード発

2021年01月26日

ポルトガルのマルセロ・ソウザ大統領は1月13日、年末年始以降の新型コロナウイルス感染者の急増を受け、非常事態宣言の5度目の延長を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前回の延長を発表した2020年11月6日には5,550人だった1日当たりの新規感染者数は、12月6日に3,834人に一時減少したものの、年明け1月6日には1万27人に急増、このため、今回の延長宣言では、2020年3月の最初の宣言と同等の、生活必需品以外の小売店や飲食店、商業施設の閉鎖や移動制限といった厳しい制約と強制力を伴うものとなった。さらに、政府は1月21日、英国発生の変異種の感染急増により、同変異種による感染者数が新規感染者に占める割合が前週の8%から20%に急増、それ以降の数週間には60%に上ると予測した国立衛生研究所の発表(1月20日付)を受け、全校休校や各種裁判所の閉鎖・手続きの一時停止などの新たな規則を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。なお、直近(1月24日)の新規感染者数は1万1,721人、死亡者数は累計1万469人となっている。

経済回復の兆し見えず

国立統計院(INE)が1月20日に発表した「経済調査2020年12月」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2020年5月以降、一部回復の兆しを見せていた経済活動は11月と12月で中断した。12月には消費者信頼指標は上昇、製造業と建設部門などでも景況指数が上昇したものの、小売業とサービス業では減少した。

また、自動車の販売台数を前年同月比でみると、10月は(1)乗用車12.6%減、(2)小型商用車15.1%減、(2)重量車15.0%減、11月は(1)27.9%減、(2)1.4%減、(3)16.7%増、12月は(1)19.6%減、(2)19.1%減、(3)15.7%減だった。

失業率(15~74才の労働者)では、10月は7.5%、11月は7.2%となった(12月は未発表)。

消費者物価指数(CPI)は前年同月比で、10月は0.1%減、11月と12月はともに0.2%減だった。また、生産者物価指数(PPI)は前年同月比で、10月は4.8%減、11月と12月はともに4.9%減となった。

厳しい規則で経済はさらに悪化

2020年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率はまだ公式発表されていないものの、ポルトガル中央銀行は2020年12月の「月報」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、 2020年の実質GDP成長率はマイナス8.1%となるものの、2021年は3.9%、2022年は4.5%、2023年は2.4%の成長となると予測している。ポルトガル経済がパンデミック前の水準を取り戻すのは2022年末とみられ、労働市場では、2021年半ばから雇用の回復と失業率低下が見込まれるとした。しかし、今回の厳しい規制を伴う措置の強化は、ポルトガル経済のさらなる失速につながる可能性がある。

(小野恵美)

(ポルトガル)

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