出国者向けPCR検査機関を追加認証
(バングラデシュ)
ダッカ発
2021年01月07日
バングラデシュ政府は12月24日、海外渡航者向けのPCR検査機関として、新たに21の私立病院を承認した(添付資料参照)。政府は2020年7月に16の政府系病院と研究機関、10月に10の私立病院を認証しており、今回の追加措置により、計47の病院などが当該承認を受けたことになる。
バングラデシュから外国に渡航する際、目的地の国でPCR検査が求められている場合は、政府指定の病院で検査を行う必要がある。1月3日時点で、バングラデシュ出国時に渡航者を対象にPCR検査の提示を明文化した政府通達は確認されていない。しかし、実態として、全ての出国者は搭乗手続き前に専用カウンターでPCR検査の陰性証明書の提示を求められる。各国の航空会社が加盟している国際航空運送協会(IATA)の公開情報(12月31日付)によると、バングラデシュでは全ての搭乗者は出入国時にPCR検査の陰性証明書を必ず保持する必要があるとされている。
加えて、渡航者は一部の航空会社が認証・公表している病院リストが存在することにも留意する必要がある。同リスト掲載病院が発行した証明書を所持した場合のみ搭乗が許可される。そのため、自身が検査を予定している機関が発行する陰性証明書で渡航に支障がないか、利用予定の航空会社に事前確認することが必要な状況だ。
現在、日系企業の駐在員がバングラデシュから出国する際には、例えば、シップヘルスケアホールディングス(本社:大阪)がアイチホスピタルと国際協力機構(JICA)との合弁により運営を行っているバングラデシュの医療法人ジャパン・イースト・ウェスト・メディカルカレッジホスピタル(ダッカ市)で検査を実施することが多い。同病院は政府認可の海外渡航者向け検査機関との提携により検査を行っており、日系企業関係者を対象にオフィスや自宅、ホテルなどへの出張PCR検査も実施している。
また、今回の追加措置により、上記のアイチホスピタルが新たに承認された。同病院は名古屋大学医学部を卒業したモアゼム・ホセイン院長が設立した病院で、出張PCR検査で利用する日系企業関係者もみられる。
そのほか、駐在員が利用することがあるユナイテッドホスピタルやエバーケアホスピタル、スクエアホスピタルも政府認可されているが、出張検査を実施していないケースもあり、その際は病院まで検査に出向く必要がある。
(山田和則、安藤裕二)
(バングラデシュ)
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