経済ブループリント策定、ダイナミックで持続可能な経済の達成へ

(ブルネイ)

アジア大洋州課

2021年01月14日

ブルネイ財務経済省は2021年1月6日、ハサナル・ボルキア・ブルネイ・ダルサラーム国国王がブルネイ・ダラサラームの経済ブループリント(詳細計画)の策定に同意したと発表した。

このブループリントは、ワワサンブルネイ2035(注1)の第3目標であるダイナミックで持続可能な経済の達成(注2)に向けて、政府と民間部門による政策、戦略、イニシアチブを調整するための指針となることを目的に策定された。

同ブループリントでは、ワワサンブルネイ2035の目標を確実に達成するための6つの項目、(1)生産的で活気のあるビジネス、(2)熟練し、適応力のある革新的な人々、(3)グローバルで開かれた経済、(4)持続可能な環境、(5)高品質で競争力のある経済インフラ、(6)優れた政府と公共サービスの卓越性、が示されている。これらの項目を達成することによって、持続可能な開発を確実にする経済のエコシステム(共存共栄の仕組み)を形成することができるとしている。

同ブループリントによると、ブルネイの経済は、主に石油とガスによって発展しており、これによって外国直接投資(FDI)で設立された企業や中小企業(MSME)などのスピンオフビジネス(独立、子会社化)も増えている。政府は、現状の石油に依存した経済から持続可能な経済発展に向けて、5つの優先部門(石油とガスの下流産業、食品、観光、情報通信技術、サービス)を強化し、非石油・ガス部門を発達させるとしている。

2010年以降、ブルネイの非石油・ガスの民間部門GDPは年平均2.6%で成長してきてはいるが、GDP全体への貢献度は30%未満の状況にある。

(注1)ワワサンブルネイ2035は、2007年に策定され、第1:教育を受け、高い技術を持った優秀な人、第2:高い質の生活、第3:ダイナミックで持続可能な経済の目標を達成すること、を目的としている。

(注2)ワワサンブルネイ2035の第3目標には、4つの成果目標として、高く持続可能な経済成長、経済的多様化、マクロ経済の安定性、低い失業率が示されている。

(坂本未侑)

(ブルネイ)

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