アップグレード版ナショナル貿易リポジトリ、2月上旬から導入見込み

タイ商務省貿易交渉局（DTN）は1月18日、企業関係者に対して包括的かつ最新の貿易関連情報を提供するため、タイのナショナル貿易リポジトリ（NTR）のアップグレード版を公開することを明らかにした。新しいNTRでは、貿易制度や貿易手続きなどの情報にアクセスしやすくなり、ASEAN貿易リポジトリ（ATR）とも接続される。2021年2月上旬に一般公開される予定で、URLは旧版から変更はない。

タイのNTRおよびATRは、2015年のASEAN経済共同体（AEC）発足時の重要な要素だった。ASEAN加盟国は貿易円滑化を目的に、物品貿易、サービス貿易、電子商取引（EC）、貿易特恵、国内貿易法規制などの貿易関連情報をまとめたウェブサイトであるNTRを各国で構築し、信頼性の高い情報源として企業関係者に情報提供を図った。タイでは、2014年11月にNTRウェブサイトを立ち上げ、ATRに接続させた。

新しいNTRでは、地域的な包括的経済連携協定（RCEP）、ASEAN香港自由貿易協定（AHKFTA）の情報のほか、投資関連情報（投資分類、投資法規制、関連機関など）も追加された。 また、より利便性を高めるため、全ての情報を一度で短時間に検索できる「スマート検索」機能が追加され、パソコンのほか、タブレット、スマートフォンでも利用しやすくなっている。

DTNは1月21日～22日に新版NTRの利用方法に関するオンライン講座を開催し、新しいインターフェースが一足先に公開された。新版NTRは旧版と見た目上の大きな差はないが、新たなアイコンや情報が追加されている。

DTNによると、特に中小企業などは情報不足に起因する貿易上の問題を抱えやすいという。DTNは、企業のニーズに合った「ワンストップ貿易ポータル」として、情報を網羅したビジネスフレンドリーなシステムを構築していきたいとしている。 なお、新版NTRが導入されるまで、既存の旧版NTRが利用可能となっている。

（シリンポーン・パックピンペット、北見創）