スイス連邦政府、新型コロナ検査の補助拡大、水際措置を強化

(スイス)

ジュネーブ発

2021年01月28日

スイス連邦参事会(内閣)は1月27日、新型コロナウイルス感染拡大防止ための検査体制の強化、制限措置違反への罰則の導入、水際対策の見直しなどを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

これまでの症状のある者に対するPCR検査に加え、今後は症状がない者に対する抗原検査の費用も、政府補助の対象とする。抗原検査は、老人ホームや企業内などでも実施が可能。変異種の感染拡大が懸念される中、無症状者への検査拡大により、クラスターを早期に発見し、感染拡大を防止する目的もある。抗原検査の費用に対する補助は、1月28日から適用される。

2月1日からは、制限措置の違反に対して罰金〔50~200スイス・フラン(約5,750円~2万3,000円、CHF、1CHF=約115円)〕が科されるようになる。例えば、公共交通機関や駅構内、公共の場所や施設などマスクの着用が規定された場所でのマスク不装着、許可されていない集会や私的イベントへの参加など、感染防止のための制限措置に違反した場合が対象となる。罰金を導入し、その場での摘発を可能とすることで、制限措置順守の向上や司法当局による刑事訴追の負担軽減が期待されている。

また、2月1日から、新型コロナウイルス専用のワクチン接種センターと同様に、薬局でのワクチン接種も連邦政府が費用を負担するとした。

さらに、自主隔離についても見直しを発表した。現在、感染者と濃厚接触があった者は10日間の自主隔離が義務付けられているが、今後は、自主隔離7日目以降、PCRまたは抗原検査の結果が陰性で、州当局から許可が出た場合には自主隔離を期限前に終了することができるようになる。ただし、その際の検査費用は自己負担となる。また、当初の自主隔離期間(10日間)終了までは、常時マスクを着用し、社会的距離を確保することが求められる。

これに関連し、水際措置も見直され、スイスが指定する感染リスクの高い国・地域からスイスに入国しようとする者は、入国前72時間以内に行った新型コロナ検査の陰性証明書の提示が義務付けられる。入国後はこれまでと同様、10日間の自主隔離が義務付けられるが、上記の自主隔離期間の短縮ルールが適用される。なお、空路による入国については、感染リスクの高い国・地域に指定されていない場合でも、事前のPCR検査による陰性証明書の提示が搭乗時に必要となる。これらの自主隔離期間に関するルールおよび水際措置の変更は、2月8日から適用される。

(和田恭)

(スイス)

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