第1回ASEANデジタル相会合が開催、プトラジャヤ宣言を採択

(ASEAN、ブルネイ、マレーシア)

バンコク発

2021年01月29日

ASEANのデジタル分野における政策を協議する「第1回ASEANデジタル相会合(ADGMIN)」が1月21日から22日にかけて、オンラインで開催された(ニュースリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます共同記者発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。2021年ASEAN議長国であるブルネイのアブドゥル・ムタリブ交通・情報コミュニケーション相のほか、ASEAN各国のデジタル担当相が参加した。

会合の成果として、「ASEAN:デジタル接続共同体」に関するプトラジャヤ宣言が採択され、デジタルを用いたかたちで接続されたASEANが、デジタル経済による機会を企業支援や市民の利便性向上に活用していくという方針が示された。ムタリブ氏は「デジタル・トランスフォーメーションやサイバーセキュリティが、生産性や効率性、生活の質を向上させる可能性を持っている」と述べた。

第1回ADGMINは、マレーシアのサイフディン・アブドゥラー通信マルチメディア相が議長となり、ASEAN域内や対話国と、どのように地域のデジタル開発を実施していくか議論した。従来の「ASEAN情報通信技術マスタープラン2020」を継承するかたちで、「ASEANデジタル・マスタープラン2025(ADM2025)」が策定された。ADM2025では、ASEANが2021年から2025年にかけて目指す8つの目標について、37の行動計画が記されている。安全で変革的なデジタル・サービス、デジタル技術、エコシステムの構築により、ASEANが先進的なデジタル共同体、デジタル経済ブロックになるというビジョンを実現させる方針が示された。

また、ASEANデジタルデータガバナンス枠組みのイニシアチブとして、ASEANデータマネジメント枠組み(ADMF)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、ASEAN越境データフロー(CBDF)メカニズムの実行に向けたガイドラインが承認された。ASEAN個人情報保護枠組みの原則を構築し、ASEAN域内でのデータマネジメントと越境データフローの標準を調和させていく。サイバーセキュリティに関する地域協力強化の必要性についても合意された。ASEANコンピュータ緊急対応チーム(CERT)による情報交換の場が創立され、情報やベストプラクティスの共有、CERT能力強化プログラムを実施する。

なお、日本、中国、韓国、インド、米国などの対話国、国際電気通信連合(ITU)との会合も実施された。

(北見創)

(ASEAN、ブルネイ、マレーシア)

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