河北省で感染拡大、複数都市で全住民に自宅にとどまるよう通知

(中国)

北京発

2021年01月14日

北京市に隣接する河北省では、省都の石家荘市を中心に集団感染の発生や感染者数の増加がみられ、2021年1月2日から12日までに計395人の感染者が確認された。全国の中・高リスク地域(1月12日午前6時時点)のうち、河北省では石家荘市藁城区が高リスク地区に、また、石家荘市の29カ所、ケイ台市の10カ所、廊坊市の1カ所が中リスク地区に指定されている(注1)。こうした集団感染の増加を踏まえ、河北省は11日、1月25日に石家荘市で開催予定だった第13期人民代表大会第4回会議を延期すると発表した(注2)。

石家荘市とケイ台市は1月8日、全市民に対して7日間は自宅にとどまるよう通知した。廊坊市でも12日、全市民に対し、同日から7日間は原則として自宅にとどまるよう通知した。日系企業も入居する廊坊開発区においても、同様の通知があった。

廊坊市固安県では、1月12日から街区でのバス、タクシー、貨物輸送などの運行が停止された。河北省内の鉄道駅では、北京行きの主要な高速鉄道路線のチケット販売が停止されているほか、北京行きの旅客に対し72時間以内のPCR検査陰性証明を求めているとの報道もある(「財新」1月12日)。

また、北京市政府の徐和建報道官は、北京市の東部に隣接する河北省の廊坊市北三県エリア(廊坊市の県級市である三河市、大広回族自治県、香河県)から北京市内に通勤する人員に対し、在宅勤務を行うよう呼び掛け、入京する必要のある場合は、居住地が発行する居住証明、北京市での工作証明、PCR検査陰性証明などを勤務先に提示することを求めた(「新京報」1月11日)。なお、三河市から北京市内に入る全てのバス路線の運行は12日正午から停止されている(「財新」1月12日)。

(注1)高リスク地区に指定されている石家荘市藁城区の増村鎮では1月11日、約2万人の村民が別の場所に移され、集中隔離を受けている。

(注2)中央の第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議は2021年3月5日から開催すると発表されており(2021年1月12日記事参照)、それに先立ち、各地方で人民代表大会が開催されている。河北省に続き、遼寧省も1月12日、人民代表大会の開催を延期すると発表した。両省とも、延期後の開催日は別途発表するとしている。なお北京市では、1月23日から人民代表大会を開催するとしている。

(小宮昇平)

(中国)

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