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政府がトウモロコシ輸出を一時停止、農業団体との関係が再び悪化へ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年01月07日

アルゼンチン農牧水産省は2020年12月30日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、トウモロコシの輸出に必要な外国販売宣誓申告書(DJVE)の登録を3月1日まで一時停止すると発表した。これに伴い、トウモロコシ輸出が一時的に停止される。なお、「Pisingallo種」(ポップコーン、いわゆる「爆裂種」)は、この措置の対象外。

同省によると、国内の豚肉、鶏肉、鶏卵、乳製品などの生産とフィードロット(肥育場)に使用されるトウモロコシの確保が必要で、これらの生産コストの削減を今回の措置の目的とした。同省は、2019/2020年度(3月~翌年2月)に輸出可能なトウモロコシ3,850万トンのうち、既に3,423万トンの輸出が許可されており、残りの427万トンはトウモロコシが不足する1~2月のために確保し、国内消費に向けるべきとしている。今後の需給や2020/2021年度の収穫量の動向によっては、輸出の再開を検討する。

この発表を受けて、国内の主要業界団体などは政府決定を強く批判し、今後の国内生産に大きく影響する恐れがあると警鐘を鳴らしている。アルゼンチントウモロコシ協会(MAIZAR)は「アルゼンチンの歴史上、国内市場でトウモロコシが不足したことは一度もない。不足が問題ではない。生産者は為替がさらに下落して輸出競争力が増す可能性を見越し、販売していない可能性がある」と説明した。アルゼンチン農牧協会(SRA)は「穀物産業に対する政府の介入や輸出規制は長期的に生産量を減少させ、物価高騰につながる間違った政策だ」と主張。アルゼンチン農牧連盟(CRA)も「国内3万のトウモロコシ生産者に影響する」と政府決定を批判した。

SRAとCRA、アルゼンチン農業連合(FAA)は政府決定に抗議するため、1月11~13日に72時間、穀物販売のストライキを実施すると発表した(2020年12月31日付、2021年1月6日付現地紙「ラ・ナシオン」紙電子版)。

1月5日付の現地紙「クラリン」電子版によると、アルゼンチン不耕起栽培生産者協会(Aapresid)は「トウモロコシ輸出の一時停止は生産者の不安感を高め、2020/2021年度の作付けに影響する」とし、今回の輸出規制の見直しを政府に呼び掛けた。アルゼンチンでは2010年~2015年にトウモロコシ輸出が規制された。その結果、5年間の作付面積は伸び悩み、500万~600万ヘクタールにとどまった(添付資料図参照)。生産量も年間3,400万トンを上回ることができなかったが、規制が緩和された2015年以降、作付面積は年間700万~950万ヘクタールに拡大し、生産量も年間約4,000万~5,800万トンに増加している。

GTA(グローバル・トレード・アトラス)の統計によると、2019年に日本はアルゼンチンからトウモロコシ〔HSコード1005.90(注)〕を約4,970万ドル輸入している。金額ベースで見た輸入相手先として、米国、ブラジルに次いで第3位。

(注)HSコード1005.90には、今回の措置の対象外となっている「爆裂種のもの」も含まれる。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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