カザフスタン下院選挙で与党が圧勝

(カザフスタン)

タシケント発

2021年01月13日

カザフスタンで1月10日に下院(マジリス、議席数107)選挙が実施され、与党「ヌル・オタン(輝ける祖国)」が7割を超える議席を獲得し、圧勝した。

今回の下院選挙は、カザフスタン独立後8回目を数え、約16年ぶりに5年の任期満了に伴う選挙実施となった(注1)。投票率は63.3%。カザフスタン中央選挙管理委員会の発表(1月12日)によると、最大与党「ヌル・オタン」は総議席数の7割を超える76議席を獲得。カザフスタン人民党(旧共産主義人民党)、カザフスタン民主党「アク・ジョル(明るい道)」はそれぞれ10議席、12議席と議席数を増やした(添付資料表参照)。

選挙は比例代表制で、ヌル・オタン党、カザフスタン人民党、アク・ジョル党、人民民主党「アウル(村)」、「アダル(誠実)」党の5つの政党が立候補(注2)したが、議席が獲得できる得票率7%を超えた政党はヌル・オタン党、カザフスタン人民党、アク・ジョル党の3党にとどまった。カシムジョマルト・トカエフ大統領は2020年9月の年次教書演説で、多党政治の発展を自身の改革目標の1つに掲げていたが、議席を獲得した政党は選挙前と同様で、議会への参加政党の増加には至らなかった。

ヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領(現ヌル・オタン党党首)の長女で、2020年5月に上院議長を解任され、議員資格を剥奪されたダリガ・ナザルバエワ氏(2020年5月7日記事参照)は下院議員として政界復帰することが決まった(ヌル・オタン党公式ウェブサイト1月12日)。

(注1)2004年9月に行われた選挙以外は、任期満了前の前倒し選挙が行われている。

(注2)急進的野党の全国社会民主党(NSDP)は、選挙が公正に行われないと判断し、立候補をボイコットした。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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