12月の自動車販売、自動車・二輪車ともにプラス成長継続

(インド)

ベンガルール発

2021年01月27日

インド自動車工業会(SIAM)は1月14日、12月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車販売〔多目的車(UV)とバンを含む〕は前年同月比13.6%増の25万2,998台となり、2桁のプラス成長に回復した(添付資料表1参照)。うち、一般乗用車は8.4%増の14万6,864台とプラスに転じ、UVは19.8%増の9万4,787台、バンは41.1%増の1万1,347台と、それぞれ好調を維持した。

メーカー別でみると(添付資料表2参照)、主要メーカー12社のうち、7社がプラス成長を記録。販売台数が首位のマルチ・スズキは前年同月比14.6%増の14万754台と、2カ月ぶりにプラスに転じた。2位の現代自動車が24.9%増の4万7,400台で、堅調な伸びを続けている。起亜自動車は約2.5倍増と最も高い伸び率を示した。地場マヒンドラ&マヒンドラが3.2%増、ホンダは2.7%増と、それぞれプラス成長を見せた。車種別では、小型SUV(スポーツ用多目的車)とエントリーレベルの小型車が依然として需要を支え続けている。

二輪車は前年同月比7.4%増の112万7,917台となり、高い成長を続けている(添付資料表3参照)。セグメント別では、スクーターの販売台数が5.6%増の32万3,696台、オートバイは6.7%増の74万4,237台となり、祭事期が終わって需要の伸びが鈍化した背景もある中で、それぞれ堅調な売れ行きだった。

乗用車、二輪車、三輪車を含む全体の自動車販売総数は前年同月比5.8%増の140万3,041台だった(商用車の単月販売データは2020年4月以降、公表されていない)。今回のプラス成長について、SIAMは「2019年12月の実績が低水準だったことによる『ベース効果』に起因するものだ」とみている。

今後について、SIAMは、国内生産向けに補助金を出す「生産連動型優遇策(PLI)スキーム」や低金利の持続など、政府の振興策が販売台数回復を支えていくことを期待している。他方、半導体関連部品や鉄鋼などの原材料不足、それに伴う価格高騰を不安要因に挙げる。また、自動車部品輸送用のコンテナ不足による物流コスト上昇も原材料費増加につながる。そのため、SIAMは今後については、不透明感が引き続き残るとの見方を示している。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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