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2020年の世界の直接投資額、1990年代水準まで下落、中国が初めて首位に

(世界)

国際経済課

2021年01月26日

国連貿易開発会議(UNCTAD)が1月24日公表した報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2020年の世界の対内直接投資額は前年比42%減の8,590億ドルと推計される。投資額の水準としては、2008~2009年のリーマン・ショック時を3割以上割り込み、1990年代並みに落ち込んだこととなる。UNCTADの公表値は、153カ国・地域のデータを網羅したもので、2020年通年の世界全体の直接投資額を取りまとめたのはこれが初めてだ。

特に先進国・地域の対内直接投資額は69%減の2,290億ドルへと激減、25年前の水準にまで落ち込んだ。2020年の世界の投資減の8割近くが先進国・地域の下落で説明できる。特に、米国向け投資は49%減の1,340億ドルへと半減し、後述する通り中国に抜かれることとなった。小売りサービス、金融サービスや製造業全般を中心に減少幅が大きかった。

途上国・地域向け投資も、12%減の6,160億ドルに減少したが、世界全体に占める割合としては、過去最高となる72%を記録した。中南米・カリブ向けが37%減、アフリカが18%減、アジアが4%減と、軒並み減少した。その中にあって、中国の対内直接投資額は前年比4%増の1,630億ドルとなり、第2位の米国を抜いて初めて世界最大の投資受け入れ国に浮上した。特に、ハイテク産業向けの投資が11%増と躍進、情報通信や医薬品分野での対中M&Aも増加した。他国・地域に先んじて新型コロナウイルス感染から回復した中国に投資が振り向けられたとみられる。

今後の見通しも厳しい。今回の報告書でUNCTADは、2021年に関する明確な予測値を出していないものの(注)、依然として新型コロナを取り巻く状況は不透明で、投資動向も見通しづらい状況は続く。実際、2020年に発表されたグリーンフィールド投資案件数は前年比35%減と、先行きは明るくない。UNCTAD投資・企業部門のジェームズ・チャン氏は、今後も新型コロナの影響が及ぶことから、投資家の慎重姿勢は変わらないと見通した。一方で、UNCTADは技術やヘルスケアといった、新型コロナによる投資がむしろ増加する分野でM&Aが活発化することに期待も見せた。

(注)UNCTADが2020年6月に発表した「世界投資報告書」時点では、2021年の世界の直接投資額は前年比で5~10%減少、2022年に上昇に転じると推計。

(吾郷伊都子)

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