12月15日に移動制限措置を解除するも一部は見送り、夜間外出禁止へ

(フランス)

パリ発

2020年12月14日

フランスのジャン・カステックス首相は12月10日、新型コロナウイルスの感染状況に関する記者会見を行い、移動制限措置の緩和措置について説明した。首相は1日当たりの新規感染者数が1万人台で下げ止まっており、第2波は収束していないとして、12月15日に移動制限措置を解除しつつ、当初発表されていた緩和措置の一部を見送る方針を明らかにした。規制緩和の日程などについては、エマニュエル・マクロン大統領が11月24日に発表していた(2020年11月26日記事参照)。12月15日からの緩和措置に関する主な内容は以下のとおり。

  • 12月15日から日中の移動に特例外出許可証の携帯は必要なくなるが、午後8時(当初発表では午後9時)から翌日午前6時(同7時)まで夜間の外出を禁止する。当初の発表どおり、12月24日の夜間は外出が許可されるが、12月31日午後8時から翌1月1日午前6時まで外出を禁止する。
  • 当初の計画で12月15日から営業を再開する予定だった映画館、劇場、美術館、スポーツジム、娯楽施設などの集客施設は、少なくとも1月7日まで営業を禁止する。
  • 12月15日から地域圏を越える長距離移動が可能になる。午後8時以降の移動は仕事や医療、介護、犬の散歩などの理由以外は原則禁止とし、新たな形式の特例外出証明書の携帯が義務付けられる(違反者には罰金135ユーロ)。
  • 休業措置の対象になる企業には現行の支援措置を引き続き適用する。
  • 検査・アラート・(感染者の)保護戦略については、結果が24時間以内に出る検査の大規模な実施や陽性者に対する隔離支援を強化するとし、隔離は義務付けないとした。

政府は12月に入り休業措置を適用する企業向けの支援措置を強化している。労働・雇用・社会復帰省は12月2日、行政措置による休業期間が2020年通年で140日を超えた企業や衛生緊急事態宣言の発動期間中に売上高が90%以上減少した企業に対し、2021年1月1日~1月20日までの間に従業員が有給休暇を取得した場合、10日分を上限に国が費用の一部を負担する措置を導入すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

また、エリザベット・ボルヌ労働・雇用・社会復帰相は12月9日、休業措置の対象となる企業について、休業手当を国が100%補填(ほてん)する特別制度を2021年1月末または2月末まで継続する方針を示した。

(山崎あき)

(フランス)

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