「ウェブサミット2020」に11社のスタートアップがオンライン参加、2022年から東京開催へ

(ポルトガル)

パリ発

2020年12月08日

欧州最大級のスタートアップイベント「ウェブサミット2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が12月2~4日に開催された。今回は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンライン形式で開催。オンライン化に伴い、世界各国からの参加者数が増加し、168カ国・地域から10万4,328人の参加者(うち45.8%が女性、スピーカー1,137人、投資家1,145人、メディア関係2,229人)を迎えるとともに、2,007社のスタートアップが出展した。

ジェトロは、東京都主催事業である海外進出プラットフォーム「X-HUB TOKYO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の一環で、欧州展開を目指すスタートアップ11社に対し、同イベントへの出展サポートを行った。

日本から出展したスタートアップの天地人外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定の宇宙ベンチャーだ。同社は、衛星データを活用し土地評価を行い、気候変動やSDGs(持続可能な開発目標)などで掲げる、世界各国の社会課題解決に向けたコンサルテーションを提供する。今回、顧客候補や共同でプロジェクトを実施するパートナー企業の獲得を目的に参加した。同社ビジネスマネジャーの浦部雄平氏は「世界中で新しい技術を使い、新しいソリューションを提供する企業が多く参加しているため、弊社のソリューションと掛け合わせることで新たな価値を創出できるような企業とつながり、ディスカッションができたことが有意義だった」「今年はオンラインでの実施だったため、ライブ感や業界を超えた未知の技術に触れるという面では難しかったが、いっときに世界中からイノベーションを起こそうとチャレンジする企業が集まり、議論できるのは面白いと感じた」と話した。

同じく日本から出展したピージェイピーアイ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(PJPEYE)は、革新的な炭素バッテリーを開発し、独自のモビリティ・エネルギービジネスを展開するスタートアップ企業だ。今回、さらなるブランド認知とパートナーや投資家探しを視野に参加し、日本の出展者で唯一、公式ピッチでの登壇を果たした。同社のCIOの翁詠傑氏は「惜しくもピッチコンテストはセミファイナルまでしか行けなかったが、参加を機に、ニュースレターや公式ホームページでの自社PR、ブランディングに注力したため、大企業からコンタクトが寄せられるようになった」とコメントした。

また、今回のウェブサミットでは、日本の政府関係者がスピーカーとして初登壇を果たし、平井卓也デジタル改革担当相が日本のデジタル化について、小池百合子東京都知事が東京のイノベーション創出の展望について発信した。

2022年には東京で開催

ウェブサミット主催者は12月3日、ウェブサミットを2022年9月に東京で初開催すると発表した。主催者によれば、世界各地でウェブサミットを展開するグローバル計画の一環とのことだ。

ウェブサミットが2009年にアイルランドのダブリンで初めて開催された際の参加者は400人だったが、その後、飛躍的に規模が拡大し2016年から開催地をポルトガルのリスボンに移し、2019年には7万人規模のイベントに成長した。起業家と投資家が出会い、資金調達につながる場として、姉妹イベントも世界各地で開催している。

今後もリスボンを本拠地としつつ、2021年11月のリスボンの後、2022年からは東京のほか、ブラジルでの開催を予定している。

(遠藤朋美、小野恵美)

(ポルトガル)

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